目覚めし冒険者の広場-ドラゴンクエストXプレイヤー専用サイト

自宅の菌類

アオマリモ

[アオマリモ]

キャラID
: RU977-303
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

ライブカメラ画像

2D動画 静止画

写真コンテスト

{{ photoImg }}
さつえい日  :  {{ photoDate }}
さつえい場所  :  {{ photoZone }} ({{ photoWorld }})
{{ photoImg }}
{{ photoImg }}
{{ entryTitle }}
{{ mangaImg1 }}
{{ mangaText1 }} 
{{ mangaImg2 }}
{{mangaText2 }} 
{{ mangaImg3 }}
{{ mangaText3 }} 
{{ mangaImg4 }}
{{ mangaText4 }} 

アオマリモの冒険日誌

2024-07-14 20:06:17.0 2024-07-14 20:12:10.0テーマ:その他

街談機関 エピローグ「補講:キリンについて」6


 タリューには、二人の道連れがいた。
 道連れの一人はエレンという、ガートラント王国から来たオーガの娘だった。ガートラント城での士官に失敗し、剣士としての栄達がうまくいかずにくすぶっていた娘だ。ぶっきらぼうな性格だが面倒見はよく、少女より数ヶ月だけ年上だった故、少女を妹のように可愛がった。少女の秘密も感づいていたようだが、何も言わず静観していた。
 もう一人は、ドワーフ族のケチャという青年。少女より二歳年上だというが、自身の膝元ほどもない身長からはとても想像できない。頭脳明晰だが、エレンとは反対に心配りに欠け、要らぬことを言ってはトラブルを持ち込んできた。少女は勘の鋭いこの青年が苦手だった。

 タリューとエレン、ケチャとの旅路は、少女にとって刺激に満ちた旅だった。
 現代を混乱せしめている大魔王マデサゴーラが出現する前の時代だ。冒険者の平均レベルが低く、町にはマフィア蔓延る混迷の時代であっても、ある意味では平和だったと言えるかもしれない。それでも、タリューたちの旅路は平坦ではなかった。
 ある時はドルボートを駆る盗賊まがいの暴走族に絡まれ、タリューを人質に取られての大立ち回りを演じたり。
 紅玉館というジュレットの名士の館に招かれ、そこで起こった殺人事件を解決に導いたり。
 ほんの一、二年ほどの旅だったが、エレンたち三人にとって、彼らの後の人生においても燦然と輝くほどの思い出がそこにはあった。

 年齢的にはリーダーと言うべきであるタリューだが、戦闘においては全くの役立たずだった。
 何しろ、身体能力が恐ろしいほど低いのだ。走ればいっかくウサギに負け、剣や鎧は重すぎて装備できない。試しに鎧を着て一日歩きとおしたところ、翌日タリューは「腰がやばい」と言って寝込んでしまい、旅の工程計画を練り直さなければならなくなった。その上、体質なのか回復呪文を受け付けない。目を離したら死にかねない身でありながら、お人好しを拗らせて自ら危険に飛び込むため、エレンら戦闘要員の気を揉ませた。「スライムに次いで儚い生き物といったらタリューである」というエレンの言い草も否定しづらい、鈍臭い男だった。
 その代わり……と言うべきなのか、タリューはエレンたちに対して様々な『講義』を行った。奇しくも、エレンたちは三人とも学校には行っていないか、中退してしまっており、基礎学力を充分に身に着けていなかった。タリューは年若い三人の精神的指針たらんと、慣れない教師の真似事をしたのである。
 町にいる間だけではあるが、タリューは日雇い仕事をしてわずかな給与を得て、生活費を差っ引いた範囲で教本の類を買った。そこから得た知識を、自身の実体験を交えてエレンたちに披露した。
 アストルティアの歴史や社会構造、国語や初歩的な数学など、決して高等な内容ではなかったものの、講義をするタリュー自身があまりに楽しそうにしているため、思わず聞き入ってしまう魅力があった。エレンは早々に興味を失ったが、ケチャともう一人の少女は、夜遅くになるまでタリューと議論して過ごした。後に商人となったケチャの知識欲は、タリューの講義に端を発している。
 また、そういった講義の合間に、タリューは自身の昔話をよく挟んだ。『日本』という、どこにあるかもわからないタリューの故郷の話だった。子供の頃のしょうもない喧嘩や、作家の夢を諦めて就職した先での出来事、本で得た外国の知識など、その内容は他愛なく、種々雑多だった。アストルティアと異なり、科学のみで運用される奇妙な国の生活模様を、ケチャたちは半信半疑に受け止めた。タリュー自身、信じてもらおうという気はないようだった。嘘くさくはあっても、押しつけがましさもない、一人の男の物語を、少年たちはそういうものだと思って受け入れた。

・続き:
https://hiroba.dqx.jp/sc/diary/127254852654/view/7871232/
いいね! 1 件

ログインしていないため、コメントを書くことはできません。


戻る

ページトップへもどる