こんばんわ、こすもっこよ。
人気のない山奥のお寺に泊めてもらうことになったワタシ。
ほっと一安心したのも束の間、そこはお通夜の真っ最中!
そしてなんと、ワタシに留守番を言いつけて住職は出て行ったのよ!
詳しくはこの前の日誌を読みやがれ!なのよ!
さて。。。
ご遺体と2人っきりのこの部屋は流石にちょっとアレよね。
ふと見ると奥にも部屋がありそう。そっちで休ませてもらおうっと。
とりあえずご遺体にお祈りをしてと。。
どこのどなたか存じませんがどーぞ安らかに。。。
いろいろと無念もあったかもしれませんが、ワタシはまーったく関係ありませんので化けて出たりしないでね。。。
さ、奥の部屋に行こうっと。。。
奥には畳2畳ほどの部屋があって、壁にはなんか変な絵が掛かってる。
こ、怖くなんてないんだからね!
。。でもなるべく見ないように寝ようかしら。
その時!
絵が動いたの!
いやぁぁぁ!!なんなのよ!
(写真ではわからないけど、この家の絵は本当に動くのよ!)
さらにふと気づく。
闇の中からワタシを見つめる光る目がある事に!
だ、だ、誰よ!
うわぁぁぁぁぁ。。?あ?
な、なによ、ただのレプリカ加工ロボじゃないの!
こんなモンに、、こんなモンにびびらされるなんて。。。その時!
「はっはっはっ、根性なしが。」
さっきのご遺体が安置されてるお部屋から声がしたのよ。
御住職が帰ってきたのかしら?
いや、声が違う。
まさか。。。まさか。。。
ワタシは息を呑んでご遺体が眠る部屋に戻った。
そこには。。
ホントに誰よ!
「ワシは土偶じゃ。山の中で行き倒れでたところを、この寺の住職がここまで運んでくれたのじゃ」
はぁ?土偶が行き倒れてたって、、、じゃあそこのお布団に安置されてたのアナタだったの?
そもそもだけど、土偶に生きるとか死ぬとかあるの?ちょっと全然わからないわよ!
「うむ、その辺はワシもよーわからんのじゃ」
はぁ?そこ一番大事なトコでしょーが!
なんちゅーところ手を抜き晒してけつかるのよ!
だいたい、土偶が倒れてたらそれは普通に出土品なんじゃないの!?
あの住職も住職よ!なんでそんなモン勝手に拾ってきて。。あまつさえお葬式までしようとするなんて!
それにそーゆーのはお坊さんの守備範囲じゃないわよ!?文化庁とかそーゆー所よ!下手したら捕まっちゃうわよ!
アホなんじゃないの?あの坊主!
「はっはっはっ、オマエさん、ちょっと落ち着きなさい」
あんたのせいでもあるんだからね!
もういいわよ、帰るわよ!
ちょっとそこどきなさい!
「ちょ、オマエ、ワシにドキなさいって、プププ」
ち、ち、違うわよ!それは事故よ!
その程度のダジャレ言うわけないでしょうが!
きーーーっ!悔し涙が出るわよ!
「オマエ泣いとるんか。ええな。ワシも泣きたい」
なんでよ?
「ワシらは泣けないんや」
なんで?感情がないから?
「ふっ、ワシらは土偶。泣かない(中ない)んや」
めでかしめでかし。
おしまい