※ 注意!
【 この日誌は筆者の個人的な考えを書いたものです。必ずしも事実に即しているとは限らないのでご了承ください 】
よろしいですか?
先日のDQXTVでグランゼドーラ劇場のオープンが発表されました。
僕はこの発表を聞いて 「スゴイ!」 と思うと同時にガッカリしました。
このコンテンツを楽しむためには、お金(リアルマネー)を払う必要があったからです。
「なぜ無料で楽しめないのか?」 と不満も抱きましたが、その後いろいろと考えて僕なりの結論に至りました。
【 結論 : グランゼドーラ劇場は、開発費を稼ぐためのコンテンツである 】
前プロデューサーの青山さんは以前おっしゃいました。
「 最近、ショップや便利ツールなどの課金要素が増えているのではないかという意見がありますが、これはその通りです。というのもドラクエ10のコンテンツだけで、ドラクエ10の開発費をまかなうことを目標としているからです。そうやって稼いだお金を、ゲーム内のコンテンツ開発や、今後もドラクエ10を運営し続けるための施策に使っていくためです。 」
この考えはとても重要です。
ユーザー(冒険者)としては 「運営がやりたいこと、作りたいものよりも、ユーザーが求めているコンテンツを実装してほしい」 と思うことでしょう。
しかし、その 「ユーザーが求めているコンテンツ」 を開発するのにもお金がかかるのです。
どんな会社でもそうだと思いますが、商品(サービス)開発会議では 「予算(コスト)と、それに対する見込み利益」 を話し合うはずです。
いかに現場の人間が 「こういう商品を開発したいんです!お客様も望んでいます!」 と熱弁したところで、経営陣が 「その商品は本当に売れるのか? 開発費をかけるだけの価値はあるのか?」 と納得しなければ予算はつかないのです。
これは僕の推測ですが、ドラクエ10の開発・運営の現場のトップである安西SR、秋保運営P、小薗開発Pの3人は、常に予算と収益のことで頭を悩ませていると思います。
・ どうやって開発に必要な予算を獲得するか
・ どうやって収益を上げるか
・ どうやったら収益を上げられる商品、コンテンツを開発できるか
これらは全て、先に話した青山前Pの 「ドラクエ10のゲーム内のコンテンツを開発し、今後も運営を継続すること」 に必要なことなのです。
例えば、おそらく多くの冒険者が恩恵を受けているであろう 「町中での移動スピードアップ」 と 「屋内でのルーラストーン使用可能化」 ですが、これらの実現には多額の予算が必要だったと思います。
というのも、この2つを実現するには 「あらゆる不具合を想定した検証に要する膨大な時間と手間」 が不可欠だからです。
しかし、これも僕の推測ですが、この2つを実現したところでおそらく新規の冒険者、および復帰者は増えないでしょう。
要するに 「収益増に繋がらない」 わけです。
ここがMMORPG運営の難しいところです。
すでに遊んでいるユーザーの満足度を上げても、収益(月額プレイ料金)は増えないのです。
もちろん 「既存ユーザーが飽きて休止もしくは引退することを防ぐ効果」 は期待できますが……
ドラクエ10運営においては、収益を増やすには 「冒険者の数を増やす」 か 「ショップやツール、オプションプランなどの課金要素の利用量を増やす」 かの2つしかないのです。
ここで話が最初に戻ります。
運営・開発としては 「新たな収益コンテンツ」 が必要でした。
そこで思いついたのが グランゼドーラ劇場 だったのです。
ただ、グランゼドーラ劇場は収益コンテンツ 「だけ」 を目的としたわけではありません。
以前、初代プロデューサーのよーすぴは、ミステリークエスト(紅玉館殺人事件)やアスフェルド学園開発の時におっしゃいました。
「 MMORPGの運営というのは、常に新たな挑戦をしていかなければならないと思っている 」
グランゼドーラ劇場というのは 「多くのプレイヤーがゲーム内で他のプレイヤーと一緒に、そして同時に映像作品を楽しめるコンテンツ」 という新たな挑戦なのです。
PSO2などですでに存在する技術ではありますが、この挑戦は率直に 「スゴイ!」 と僕は思いました。
以上です。
最後まで読んでくださってありがとうございました。