DQXは、総じて「いいMMO」だと思ってる。
たぶんそれは、他のMMOを長く遊んで来た人の方がよくわかるはず。
つまり、長年やってると「これでいいのかな自分…」と思ってしまうような部分が、丁寧に排除されているのだ。
このことは、DQXが単に「オンライン化してみよう」程度の安易な企画ではなくて、綿密に他のMMOを研究した上で、「オンラインのDQとはどうあるべきか」という方向性をきっちり定義して作られていることを明確に示している。
とは言え、やっぱり「オンライン」として作ることが出発点なので、例えばあらかじめ想定したクリアまでのプレイ時間の中でメリハリをつけるといったことが難しいとか、他者との絡みが発生する関係上、行動範囲をストーリーの進行度で制限するわけにいかないとか、今までのDQにない部分はどうしても多くなる。
そのあたり、今までの(特に近作の)DQの延長線上のものを求めるユーザには強い抵抗があり、運営陣は非常に苦しんだと思う。
多くのMMOはそこでほったらかしなのだけど、DQXは違った。
何と、広報担当者どころか、ディレクターが最前面に出て来て説明を始めたのだ。
しかも生放送にまで出演して。あろうことか何度となく。
こういうゲームを私は他に見たことがないし、今後もまず出てこないのではないかと思う。
おそらく、DQというビッグタイトルのプレイヤー層の裾野の広さを考えたとき、「オンラインのDQ」としての遊び方やコンセプトを、一番わかりやすく伝えられるのは、誰よりも自分だという自負があったんだろう。
おかげで、多くのプレイヤーは納得して楽しんでいると思う。
ディレクションの業務と並行してユーザと向き合うというのは、誰にでもできることじゃない。
それができた藤澤氏だからこそ、ここまで来れたんじゃないかという印象はどうしてもある。
DQ1が出た四半世紀前当時ならいざ知らず、大人数の集団作業である大規模ゲーム開発で、制作者の一人を特別に評価するというのは、自分としては普段考えにくいことだけれど、その功績はまさに偉業と言っていいと思っている。
しかし、残念ながら、全プレイヤーがコンセプトを納得ずくで遊べているわけではない。
後任のりっきー氏とのディレクション範囲の境目がどこなのかは明確ではないけど、初期コインボスの福引き賞品廃止、コインボスアクセの挑戦回数天井化、ドレスアップの制限撤廃、顔の整形等、すでにブレが出始めている感は否めない。
果たしてりっきー氏には、ここまで続いて来た「いいMMO」を「丁寧に説明」しつつ、維持・発展させて頂けるのだろうか。
土台のスポンジが形になったからこそ、飾り付けもぜひ丁寧にやって頂きたいものだなぁ。
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ちと支離滅裂になってしまったけど、ひとつのマイルストーンに立ったタイミングで、つれづれなるままに。
ここには冒険のことだけを書こうと思っていたけど、今回は特別。