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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2015-02-10 22:11:19.0 テーマ:その他

なりきり冒険日誌~おおぞらを、とぶ?

 誰かが言った。世界は可能性に満ちている、謎と冒険に満ちたアストルティア。何が起こるかわからない。
 そんなのは嘘っぱちだ。どうせ決まりきった毎日が続くだけさ、とニヒルな台詞を吐く者もいる。
 だが、下を向いて世をすねる前に、空を見上げてみることをお勧めしたい。
 雲は白く、空は青く、そして世界は限りなく広い。ちっぽけな自分が小賢しく理屈をこねてみせたところで、何が分かるというのか。私の知らない何かが、どこかに眠っているに違いない。
 その日も私は仲間たちとの待ち合わせの間、荷物を整理しつつ空を見上げていた。
 ギルザッドの高い空に冬の風が吹き、雲たちが肩を寄せ合う。
 雲は白く、空は青く、
 そして、おおばさみは黒光りする刀身を大きく広げ、雲の間を優雅に羽ばたいていた。
 鳥か、魔物か、飛行型ドルボードか。いや違う。
 大空に、おおばさみ。
 物騒なシルエットが、ぷかぷかとのどかに浮かんでいる。
 長さの違う二本の刃を内側に向かい合わせた、いかにも使いづらそうな形状で、取り立てて際立った長所があるわけでもなく、一部のマニア以外には見向きもされていない武器である。
 最近、見ないと思っていたが、あんな高い所にいたとは……
 一応、あれは両手剣の一種ということになっているのだが、空を飛ぶところを見ると、実は鳥の仲間だったのかもしれない。確かに、両手剣には全く見えない。
 長く旅を続けてきた私だが、また新しい発見をしてしまったようだ。これだから、アストルティアは何が起こるかわからない。現実主義を気取っていたニヒリスト諸兄も、きっと納得してくれるに違いない。

 ……いやいや、さにあらず。私はぶんぶんと首を振った。
 冷静に考えれば、おおばさみが空を飛ぶはずがないのである。何かの見間違いだろう。まったく、私もどうかしている。
 私は一度空から目を離し、大きく首を回すと、瞳を閉じてごしごしをまぶたをこすった。
 さあ、もう一度空を見上げよう。退屈な日々が生み出した下らない妄想は、文字通り雲散霧消、雲の彼方に消え去ったはずだ。
 ……ふむ。
 イーリスの杖が色とりどりの翼を雄々しく広げ、その隣では、盾だろうか。円形の鉄塊が優雅に空中を散歩していた。
 さらに隣にはもう一つ、もはやどんな武器だか判別もつかない程、細く小さな影がある。
 視線を上にずらすと、先ほどのおおばさみも相変らずぷかぷかと雲間に浮かんでいた。
 どうも、仲間を呼んだらしい。
 武器たちの間に友情があるとは知らなかったが、一瞬にして3人もの仲間が集まるあたり、おおばさみ氏の人望はなかなかのものと言えそうだ。
 しかし、イーリスの杖はいかにも空が飛べそうだが、あの盾はどうやって浮いているのだろうな? 高速回転して遠心力で浮上しているにしても、向きがおかしい。これもまた不思議の種か。

 世の中には不思議なことがあるものだ。世界は可能性に満ちている。ドルワームのドクチョルに報告すれば、8番目の7不思議に認定してもらえるかもしれない。
 どう思うかね、ウェディ人形よ。
「なんとも、おもいませんなー」

 ほう、意外とクールだな。

「そんなことより、わたしのおしりが、びみょうに、ういてることのほうが、ふしぎですなー」

 噴水の水圧で浮いてるんじゃあないのか?

「ぶつりてきに、ありえませんなー」

 人形がしゃべるのは、物理的に問題ないのか?

「いきにんぎょう、ですからー」

 なら、仕方ないか。

「しかた、ありませんなー」

 世界は可能性に満ちている、謎と冒険に満ちたアストルティア。何が起こるかわからない。
 もし退屈を感じたなら、空を見上げてみるといい。
 ちょっとした不思議が、頭の上に浮かんでいるかもしれない。
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