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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2016-07-30 16:24:44.0 テーマ:その他

少年とロボット(1)~なりきり冒険日誌【注:ver3.3のストーリーに関する記述有り】

 Q484は機械仕掛けの月を見つめる。ライトグリーンの双眸が機械的に点滅するたびに、サーチライトが月の表面を走査する。
 竜族の少年はQ484と月を見つめる。大きな眼鏡の奥で大きな瞳が輝くたびに、彼の中の好奇心が倍倍算式に膨れ上がる。
 R・ジスカルドはQ484と少年と月を見つめる。モノアイがガチャリと音を立てるたびに、セキュリティ情報が更新されていく。

「月が作り物だったなんてね……」

 サジェ少年は硬質な"月"に手を触れて呟いた。
 その声に失望の色は無い。むしろ逆だ。
 瞳には驚嘆と好奇心が。口元には抑えきれない笑みがある。
 誰かが、伝説の楽園を造った。ならば、いずれは自分達も同じ高みに昇ることができるはずだ。
 少年の若い希望が彼の心を弾ませたのだ。
 私はその若さを好ましく感じた。

「それにしても、ここはやけに明るいね」

 と、彼は手をかざした。
 彼の言う通り、頭上には闇の領界……いや、ナドラガンドに来てからこの方、拝むことのなかった光景が広がっていた。

「大きな天井から、光が降り注いでいる」

 とは、サジェ少年の台詞だ。

「空です」
「空?」
「はい、我々の住むアストルティアは闇の領界とは違い、頭上を天井に囲まれていないのです」

 と、サジェの眼鏡が空色に染まり、大きな瞳が宙に吸い込まれていくのがわかった。
 今、彼は自分の常識の外側に思考を飛ばし、想像力を解き放っているのである。
 どこにでもいる、夢見る少年の瞳だ。

「じゃあここはその、アストルティアっていう世界なのかい?」

 さて、それだ。私は首をひねった。
 ナドラガンドでまともに空を見るのは初めてだ。
 ここがアストルティアと地続きの世界で、アストルティアのどこかの地下に闇の領界が存在する、という考え方も確かにある。
 だが、私はこの空の違和感に気づき始めていた。
 空を走るライトグリーンの線。
 空に区切りがある。うっかりすると見落としそうになるが、この空は網目のようなマスに区切られた空なのだ。その模様は甲羅のようにも鱗のようにも見える。
「ヘックス模様ですね」

 と、ジスカルドが指摘した。

「仮想空間を区切るために使われることの多いマス目です」

 という彼の言葉の意味は、私には正確には理解できなかったが……。
 この楽園は、透明なドームに覆われた空中都市なのだろうか?
 だが、それにしては風を感じる。稀に雨さえ降る。外界から隔絶されているという印象は無い。
 だとすると……
 私は空を見上げた。高く広がる空。あの空すら作り物だとしたら?
 外に見える景色は、升目に描かれたただの絵で、実際には空など無いのではないか。
 突飛な空想にも思える。だが月が作り物なら空も作り物だとして、何がおかしいだろう。
 今度は私が自分の常識を疑う番だ。

「Q484は何か知ってる?」

 少年は楕円形の重金属に話しかけた。

「最優先事項、浄化装置ノ修復。回答不要ト判断」

 ロボットは振り向こうともせず作業を続行した。

「我々ロボットは、人の命令に従うようにできているはずなのですが……」

 R・ジスカルドは首をかしげる動作をした。頭部ユニットをずらす動作がそれだ。

「彼はどこか故障しているのでしょうか」
「そんな風には見えないけど」

 少年は一人前に腕組をしてみせた。

「ねえジスカルド。命令に従うっていうなら、既に従ってるんじゃないかな。月を修復しろっていう命令が先にあったから、僕の言葉よりそっちを優先してるだけなんだよ」
「成程」

 モノアイが頷く。

「合理的な見解です」

 機械からの率直な賛辞を受け、少年は鼻の頭を擦った。

「将来は学者にでもなれそうだな」

 私が後ろからポンと頭をなでてやると、サジェは途端に不機嫌な顔になった。

「お世辞なんて言わなくていいよ」

 私の手を振り払ってQ484を追いかける。……どうして私だとダメなんだ?

「彼の相手は、私がした方が良いようです」

 青い機体が少年を追いかける。
 若干の嫉妬をこめた眼差しで、私は彼らの背中を見送るのだった。 
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