マイシェラの冒険日誌

絶えることのないサポの能力論争を見ててふとＤＱ４（ＦＣ）のＡＩの話を思い出した。

当時、戦闘ＡＩが入ることは画期的でかなり話題を集めた。
けど、蓋を開けてみれば、やれ言うことを聞かない、ザラキばっかり唱える、自分で操作したいなど非難囂々だった。
ぶっちゃけ、あれを褒めている人を見たことがない。

ＤＱ４のＡＩがそれまでのＡＩと違っていたところは「学習型」というところ。
戦闘を重ねていくごとに学習してより適切な選択をするようになるというものだった。

ところが、この「学習していくＡＩ」がくせ者で、同じモンスターに対して取った行動が有効だったかどうかを学習していくんだけど、「戦闘に勝ったとき」しか学習しないらしい。
だから、クリフトは延々とデスピサロに対してザラキを唱え続ける。

そもそも、おそらくだけどＡＩ導入という触れ込みでみんなが期待していたのは「自分より賢いオート戦闘」であり、人間らしいクセや学習能力を持ったＡＩではなかったと思う。
もちろん「学習型ＡＩ」というなんだかスゴそうな機能に夢を見ていたのは間違いないと思うけど。

ゲームなんて結局数値のやりとりを使ったじゃんけんなので賢いオートを作ることはさほど難しくない。
いかさまではあるけれど、裏で敵の行動を全部先読みさせれば勝てないわけがない。
先読みでないにしても的確な状況判断をする賢いオートを作ることは当時でもさほど難しくはなかったそうな。
ただ、それではゲームをする意味が無いのでＤＱ４は「学習型ＡＩ」を選択したんだそうな。
（※個人のおぼろげな記憶によるものです）
プレイヤー以外も人格を持っていてプレイヤーと共に成長していく。導かれしもの達が集まって巨悪に立ち向かうというＤＱ４が目指したのはそういうことだと思う。

結局ＤＱ４に搭載された学習型ＡＩは画期的ではあったものの世間的には失敗したように思えるし、以降のＡＩは「賢いオート戦闘」に近い形で導入、個別への指示可というものになっていった。

わたしはＤＱ４が好きだ。武闘家をやっているのもアリーナ姫に憧れ続けているからだ。かわいい容姿のキャラが派手に立ち回ってバスバス会心の一撃を繰り出す、ただそれがやりたいだけだ。

で、そのくせ者で不評のＡＩだけど、何度かＦＣ版をプレイする内に「これはこれで悪くない」と思うようになった。
学習の仕方に難があると言いつつも、このＡＩは基本的には賢い。
面倒くさくはあるんだけど、作戦変更をきちんとすれば的確に行動を取ってくれる。だいたい、デスピサロ戦でクリフトを前線で使った上にガンガン行こうぜなんて指示を出す方がおかしいわけで、回復要員としてうまく馬車入れ替えと作戦変更を使いこなせばそれなりに動いてくれる。
そのうえで思うように行かない部分をキャラの人格だと考えれば、そのうまくいかないもどかしさも楽しくなってくる。
まあ個別に作戦指示が出来ないとか、馬車入れ替えがそもそも面倒だという不満はあるけれど、わたしはＡＩを含めてＤＱ４はＦＣ版が一番好きだ。

ＤＱＸのサポについては運営側から何度かコメントがあるように「あまり賢くならないように調整している」ということだけど、わたしはＤＱ４の経験上それでいいかなと思っている。
もちろん、サポを使うことで肉入りよりもうまく行かないことの方が多いけど、サポ戦はサポ戦で肉入りにはない楽しさもあると思う。

2.4ラスボスは強くてサポで倒せないと不評を聞くけど、実際にうまく対策を取れば倒せるバランスに調整されているらしく、個人的にはむしろ「サポでも倒せた！」という喜びの声の方が目立っているように見える。

MMORPGの性質上、敵の強さは基本的に上昇し続けていくしかない。今後、運営がどういう方針でサポの能力を調整していくかわからないけど、わたしはもどかしさも含めて楽しんでいこうと思う。

（なんてことを言いつつも、ラスボスどころか夢現編２話のボスにサポ戦連続全滅中でどうしたもんだか思案中……）