言うまでもなくDQXはMMORPG(多人数同時参加型オンラインRPG)だ。
新しいナンバリングタイトルがオンラインゲームと発表された時の衝撃は今でも覚えていて、明らかに賛否の否の方が多かった。
わたしもそのクチで、最初はかなり拒否反応を示していた(思えばDQ9の時もかなり)。
発表されたグラフィックも坊主憎けりゃの勢いで散々貶していて間違いなく買わないと心に決めていた。
もちろん、ベータ版の応募もしなかった。
けど、発売日前日になってなぜか急にやってみたくなり、当時日中暇だったこともあって勢いで買ってしまって今に至る。
結果は、オンラインといえどナンバリングタイトルにふさわしい出来で、ソロプレイヤーもきっちり楽しむことができ、肝心のストーリーも過去作に引けを取らない、いやむしろ越えてるのではないかというのはここを読んでいる人の大半が納得していることだと思う。
人によっては意見は異なるとは思うけど、わたしはDQXは過去作と同様に戦闘バランスやシステムが優れていると思う。
XはDQO(ドラクエオンライン)ではなくDQX(ドラクエ10)として出して正解だったと思う。
ただ、今までのDQと違って、決定的な差がひとつだけある。
「勇者は1人ではない」
ということ。
誰もが最強の勇者になれる過去作と違って、DQXには何万人もの勇者がいる。
自分より攻撃力の高い勇者、自分よりHPの高い勇者、自分よりお金持ちの勇者、自分より巧い勇者、自分よりオシャレな勇者……。
レベルを上げただけでは到底追いつけない差がそこにはある。
自分が唯一の最強の勇者になるためには、ただひたすら廃人になるしかない。廃人になったところで「唯一」にはなれない。何万人もの勇者の「一番」は決められないからだ。
それでも最強の勇者になるためには、追いかけられる恐怖に怯えながら、褒めちぎられる快感に酔いしれながら、果てのない本気の廃人プレイをするしかない。
それができなければ、引退の道しかないのだ。
DQXを長く楽しむためには「最強の勇者」を目指すべきではない。どうあがいても、誰も最強に勇者にはなれないからだ。
しかし、どんなプレイスタイルでも受け止めてくれる懐がDQXにはあると思う。
使い古された言葉かも知れないけど、ナンバーワンよりオンリーワンなのだ。
なんだっていい。
こだわりを決めてみよう。
たとえ、つたないにしても自分だけの勇者を目指すべきだ。
もちろん、浮き草のように自由気ままに生きる勇者がいたっていい。
勇者は1人ではない、しかし誰しもが勇者になれる。
あらためて自分に問うてみて欲しい。
自分は自分にしかなれない。
自分が何を求めてこの世界に来たのか。