ロマンという言葉は、くだらないことや意味のないことへの執着に対する「言い訳」でしかない。
などという自虐的な物言いから始まるのには訳がある。
昨日、わたしはかいしん率上昇を目当てに「黄竜のうでわ」を約350万ゴールドで購入したからだ。
この350万が一般的なプレイヤーにとってどのくらいの金額なのかはよくわからない。
日課すらまともにこなしていないわたしが持っているのだから、さほど多いわけではないだろうけど、はした金と切り捨てるほど安いわけでもないとは思う。
これまでのわたしのツメ職でのかいしん率が、最大で16.5%。
ツメスキル+6%
無法者のうでわ+4.6%
ファルコンクロー+5.4%
輝石のベルト+0.5%
武闘家・踊り子が装備しているのは拳聖セットで、開幕会心ブースト6%と引き替えにして、4.4%のものをつけている。
この辺りが頭打ちだなーと思っていたところに、+1.0%のベルトが出てしまった。
こうなると17.0%で、数字が一つ上がった訳で俄然欲が出てくる。
そこへ追い打ちをかけるようにバージョンアップで会心錬磨の宝珠の追加。これは、かいしん率が+0.2%になるというもの。つまりはレベル最大で+1.0%になるという宝珠だ。
というわけで初めての宝珠狩りをした。
会心錬磨を落とすのは、新規マップの烈火の渓谷にいるアッシュリザード。だいたい150匹狩ったところで入手できた。それまでにドラゴン斬りを3つくらい落としたり、結構ぬか喜びさせられたけど。
ていうか、宝珠狩りしてる人ってモノによっては150匹なんて話にならないレベルで狩ってる訳よね? わたしは1回の宝珠狩りでうへぇってなっちゃった。
入手後は石版を10個くらい交換してどうにか宝珠をはめ、他のヤツを下げつつだけど最大レベルにすることができた。
これで+18%。ラップが使える踊り子を連れて行くと結構安定して会心が出る感じ。ベルトに猛毒2.5%がついているので短剣踊り子とは特に相性がいい。
数日で2%あがると、それまでの頭打ち感がなくなって、再び「次はどうやって上げようか」という思考が甦ってくる。
それで久々に腕輪の相場を調べると、例の「黄竜のうでわ」がわたしでも買えるレベルの値段になっていた。同レベルのかいしん率がついた腕輪は、以前は500万~1000万近くしていたもので到底手が出なかったのだ。
武闘家が装備できる腕輪としては「獄獣のうであて」があるんだけど、こちらは買えない価格ではないもののセットで揃えようとすると差額がバカにならないので断念した。開幕バイキルトも魅力ではあったんだけど、ロマンで攻めるなら素直に開幕会心ブースト10%を取るべきだろうという判断もあった。
本当は武器も新しいのにしたいんだけど、かいしん率の理論値は+5.1%なので、たとえ理論値品でなくても基礎効果+1.2%がついているファルコンクローがどうしても手放せない。それが理論値であれば6.3%になるわけだけど、ツメとしては相当型落ち品なのでまともなかいしん効果がついたものはここしばらくまったく出品されていない。お金払ったら誰か作ってくれないかしら(どのくらいかかるのかわからないけど)。
誰か、ファルコンクローの会心率理論値品作ってくれる人、いませんか?
いや、今お金ないんだけどね……。350万使ったら残りの資産70万くらいになっちゃった。
黄竜セットを揃えるお金がなくて、現状は拳聖セット効果を取るかかいしん率を取るかという状態になっている。
ちなみにこの350万という対価で得られたかいしん率は+4.9%。現状との差は+0.3%。たった+0.3%にわたしはこれだけの金額を払った。これ以降は+0.1%ごとに100万くらい上乗せされるイメージだ。
セット効果があるとはいえ、この+0.3%には本当に価値があったのか。後悔はしていないけれど、自問は続く。
「かいしんはロマン」。わたしだけでなく、高いかいしん率を目指すプレイヤーにとってこの言葉はもはや合い言葉のようなものだ。
しかし、10%、15%の頃と違って、たった0.1%に莫大なコストを費やしている現状、本当に「ロマン」と言い切れるのだろうか。「枷」になってはいないだろうか。「叶わない夢は呪いと一緒」そんな言葉が脳裏をよぎる。後戻りも出来ず延々と幻影を追い続ける。そんな苦行に近い行為を「ロマン」と言っていいのか。
いや、言わなければならないのだ。胸を張って口にすることでそれは「ロマン」に変わる。
到達することが目的ではない、高みを目指すことが目的なのだ。たとえ枷でも呪いでも、くだらなくても意味はなくても、それが「ロマン」以外の何であろうというのか。
現在+18.3%