前回の続き!
自分にあった最強の武具を、求めていた俺はグレンの町で理想とする装備とであった。どっかで見たことあるような、女性の顔が描かれた服。名のある防具に違いない。
しかし、その装備は聞くところによると簡単には手に入らないらしい。
その装備を身に付けた、グレン駅の構内やグレン城内にいる彼らは『マイラー』と呼ばれる人種だそうだ。とあるオーガの女性を追い続けているらしい。あの装備は彼らのコスチュームであり、魂であるという。
そして、その女性への想いもない自分があの装備を身につけても彼らの様な着こなしは出来ないだろう、とのことだった。
では、どうすれば良いのかと言う問いに彼らは答えてくれた。あなただけの女性を見つけなさい。そうすれば、我らの様に素晴らしいコスチュームも自然と手に入るだろう。とのことであった。彼らの一員になる事も勧められたがお断りさせて頂いた。本気でその女性を想う彼らに失礼だとおもったし、何より彼らの想うその女性というのがこの前行方不明になった俺の友人にそっくりなのだ。なんとなく気まずい。
こうして、俺の新たな目標を見つけた。
俺にふさわしい装備。
その為に俺が本気になれる女性を探さなければならないとは。
なんだか話の流れがおかしい気もするが、まぁよしとしよう。
そして、理想の女性を探すだけではダメだ。
その女性にふさわしくなれる様に自分も磨かなくては。
しかし、俺はかつて妹に『エテーネ村で結婚したくない男no.1』に選ばれた男。
並みの努力では足りまい。
しかし。エテーネ村で結婚したくない男no.2の座を守っていた俺の友人のメガネもなぜか男前な姿に転生していたし、確か転生後の彼のファンの女性もいたはずである。
あのメガネでもそこまでなれたので俺も努力次第で到達できるはず!
そして、おれは自分磨きを始めた…
なれない、美容院。
しかし彼らは快く自分を受け入れてくた。
ダイエット。筋トレ。エステ。その他諸々。
試せることは全て試した。
そして………
ついに手に入れた
このイケてる肉体を!
どうよ、マジイケてるっしょ!?
ツーかまじこの美容院ヤバくね!?髪型どころか体格や人相まで変えてくれんの、マジウケる!!!
いや、てゆうかオレっちがこんなにイケてるとは思わなかったぜ!ってちょっとナルシーかな?www
よし、こんだけイケてるオレだし、どんなオンナでもイチコロっしょ!?あ、イチコロっていい方古い?メンゴメンゴ☆
で、オレっちは狙うオンナをもう決めちゃってるわけ。自分磨きながら探していたわけ!
ジャジャーンここに発表します!
オレっちが心に決めたのは、この人でーーーすっ!!
みんな大好き、リーネさん!!
なんでもアストルティアクイーンとやらに選ばれた事もあるとか。
彼女こそ、エレガントなオレっちのパートナーにふさわしい!!
てなわけでさっそく声をかけるオレっち。
すると………
『へーっ、あなた、年収は?』
『えっ?』
『えっ?』
年収……だと?
『いや、アタシに声かけるってことはさとーぜんそれなりの財力があるってことでしょ?』
財力……ないと、だめすか?
これは…なんつーか、盲点だったわ。
オンナを口説くのに必要なのは強さでも見た目でもない……財力!
なんてこった!
魔王を倒すために買った装備と通いまくった美容院代でオレっちの貯金はスッカラカン。
『つか。そもそも仕事なにしてるの?』
『あ、自分一応、勇者の盟友やってるんすけど。』『それ魔王倒したら無職みたいなもんでしょ。』
た、し、か、に!!
『い、いや、魔王以外にも敵はいるっつーか、今は竜族の世界に、さらわれた仲間を助けに行っている最中っつーか。』
『あんたそれこんなとこにいる場合じゃなくない?』
ですよねー!!!!
でもしょーがねーじゃん、次の領界への道が何カ月待っても開かねーんだもんよ!
『まーとにかく今のあなたじゃお話にならないかなー。せめて定職についてからじゃない?』
定職……か。
そうだな。魔塔も邪神も冒険もやることないし、そろそろオレっちも身を固めないといけないつーことか。
目が覚めたぜ!ありがとう、リーネさん!!!
そして
オレっちは武器鍛治という職についた。
リーネさんの話によると、彼女に貢ぐ冒険者の多くはキラキラマラソンと職人とかで金を稼いでるっぽいわけ。
キラキラマラソンってのがなんのことかはよーわからんけど、職人ならわかる!
よーし、オレっちはやるぜ!
手に職をつけて、いつか、オレっちだけのいいオンナを捕まえてやる!!!
………あれ?
そもそもなんでオンナを探すことになったんだっけ?
…ま、いっか!
うーん……ムニャムニャ、
オチがおもいつか………zzz
ぐー。すかぴー。