れいなリボンの冒険日誌

10周年を記念しての回顧日誌その７
ストーリーについて語ろう。の巻

さて、どのバージョンのシナリオが一番良かったか。
結構意見が分かれるので面白い。

１と２
これは最初から用意されていた物で藤澤Ｄの作品です。そして前作DQ9とも関連が有ります。
当然面白かった。
中でもオルフェア～メギストリスのお話はナブレット、アルウェ、ラグアスと一連の流れが秀逸で最後のノートのお願いが判った瞬間は涙無しには語れないね。
カミハルムイ編のニコロイ王とその姉上リタ姫のお話も感涙しました。
セレドのリゼロッタがみんなを不安にさせないためにあえて厳しい指導者を演じるも本当は両親に会いたくて魔人の前で泣き出したり、ルコリアの大人顔負けの頭の回転の良さを発揮した最後の策に心動かされました。
過去で逢ったエルジュが最初はクズみたいだったのに徐々に心が成長してゆく姿も良かった。
サブシナリオではツスクルのヒメアの話、ガタラのビャンダオの話が好き。
惜しむらくは、それぞれのキーエンブレムのお話と冥王とが全く何の関係も無いところかな。少しぐらい邪魔をしに来ても良かったんじゃない？
彼は壮大な一本よりも、短編で魅せるのが得意ね。思えばDQ7もそうでした。
旅芸人ピュージュやプスゴンなどが「上司」らしき者の存在を仄めかしますが、結局謎のまま終わりました。

バージョン３
落胆した人が最も多かった。
れいな的にも最悪の印象です。
ああこれは同じパターンを3.1、3.2、3.3と五つの領界で繰り返すんだな・・・と読めてしまったので全くワクワクしない。
そして塔のギミックがとにかく面倒臭い。
3.0だけは結構ワクワクしました。
五大陸の今まで封鎖されていたエリアに入れる様になり、ストーリー的にもいったい何が起こってるんだ？と先が気になりました。
ですがリアルタイムでプレイしていた人にはナドラガンドに入る前に足止めを食らったのが不満だった様で3.0の文句をいつも言っている。
そんなにあかんかったか？
私には理解できません。

生き返しで使わせてもらった身体の持ち主のお話もこのVer.のドレアム編で終わってしまいますが、なんか強引に打ち切られた感がありました。
学園もスタッフがイヤイヤ作ったやっつけ感が随所で伝わってきました。
まあいきなり引き継ぎを任されたからってのもありますが、それを差し引いてもりっきー&成田体制は評価できません。

バージョン４
実は一番好きです。１～２と同じくらいかそれ以上に。
３から打って変わって、メインのエテーネと真の両親のお話はもちろん、各大陸の過去や未来のお話もよくできていました。
カミルたちのお話、ロンダ岬のゾンガロン、ドワチャッカのグルヤンラシュとか、藤澤さんが途中まで書いて投げ出していった物を見事に回収していると思います。
４が最低だったという声をよく聞くのですが私には理解できません。
ただ、パドレア邸で母とようやくまともに再会できたシーンやペコリア（プクラスのママ）のサブクエなど、読者を号泣させるに十二分なネタがあるのに、何の台詞も用意せずにそれをフイにしている勿体無さは残念でした。

バージョン５
これも読者に予想させないシナリオ構成が良かったと思います。
ただゾブリス将軍の話とかなかなか残虐性があって印象的なのに、同じバルディスタのヴァレリアやベルトロの口から一切話を聞けなかったのは残念。

すなわちいずれも成田シナリオに共通する欠点は、大筋の話の流れ自体は悪くないのに読者の心を揺さぶる会話がろくに用意できていないところ。
最高の素材が有るのに全く味付けできておらず料理の仕方も絶望的。
だからせっかくプロ声優のボイスまで付けているのに宝の持ち腐れ。
リンベリィなんて酷いもんです。
いつ話しかけても「はあ？」とかいつも機嫌悪くキレている。
あんな子クラスに居たらただの問題児ですよ。
あれじゃ声優も感情移入できませんから全然心がこもったレコーディングになっていない様です。背景がよく解らず適当に怒り口調で喋っている感が伝わってくる。
普通なら台本を読んでいて「コイツ・・・最悪のクズ野郎だな！」と憤ったり「よくぞ帰ってきてくれた！」と感動で泣いてしまったり、気持ちが入るものですよ。

バージョン６
天使界がいきなり出てきたのは意外でした。
いや、クマリスのクエで判ってはいましたけど。
エルフとウェディの世界の過去話だけVer.4で飛ばされたなぁと思っていましたが、ここで持ってきましたか。
個人的にはメルーとディオーレの馴れ初め話やヒメアとコハクの禁断の恋の過程を掘り下げた話が見たかったけど。
でもあのライター陣では期待薄か・・・

残るステージは宇宙ぐらいしか無いと思ったら早くも宇宙船とメタリックな宇宙人が出てきましたね。