前に「画面が眩しいプレイヤー」という日誌を書きましたが、今回はその続きとなります。
https://hiroba.dqx.jp/sc/diary/1043297729334/view/7176240/
実際に「白内障」と診断した場合、どの様な治療経過となるのかお話しします。
基本的には日帰り手術を行いますが、
まずどの様な人工レンズが適しているかの検査を数回繰り返します。
角膜から網膜までの距離とか、レンズを入れるスペースが十分に確保されているかなど。
入れるレンズの種類が決定すれば術日を決めて、その数日前から抗生剤の点眼を開始します。
瞼などに住む常在菌をできるだけゼロにする目的です。
当日は散瞳の点眼、麻酔の点眼をさしてから患者は仰向けとなって手術を受けます。
眼科医はその頭側から執刀しますので、黒目の上端に2ミリほどの切開を入れて器具を差し込みます。
患者の意識は清明のままですので、とにかく心を無にして眼をキョロキョロ動かさずボーッと真上を見続ける事が大事。
痛みはほとんどありませんが、差し込まれている微かな圧迫感と痛みは感じるかも。
差し込んだ器具から水晶体に超音波を当てて乳化させ、これを全部吸い取ります。
その時、邪魔な物が取れて明るくクリアになった感じが判ると思います。
続いて折り畳まれた人工レンズをその部分に挿入して離すと円形に広がって固定されます。
それで終了。
メスを入れてからそこまで5分ぐらい。
元気で仕事が忙しい人などは左右同時に連続で手術します。
終了後は15分ぐらい休憩して体調問題なければ帰宅OKです。
術直後はややぼやけていますが、まあ0.1ぐらいの視力は有ります。
片眼だけ手術の場合はそちらを眼帯で覆います。
そして翌日の診察で外します。
その後、1~2週間は感染を起こさない様に細心の注意を払います。
昼夜を問わず保護メガネやカッペを使用して目にゴミや汚水が入らない様に。
抗生剤や抗炎症の点眼は1日5回、1~2ヶ月継続します。
眼でも骨でも、外科手術で最も気をつけなくてはならない事は「感染」です。
眼の中など本来密閉されていて免疫力が無い場所に万一細菌が入ってしまうと排除できず、最悪の場合「失明」してしまいます。
それがしっかり自己でも理解できない人には許可できません。
糖尿病など易感染性の基礎疾患を持っている人も要注意です。
手術自体の単純な手技ミスなんかよりもそっちが一番ナーバスにならなくてはいけません。
無事に経過すれば、数日後~1ヶ月ぐらいで脳がそのレンズに慣れてくれますのでクリアに視える様になります。
さて、料金ですが、これは入れるレンズの種類によって大きく変わります。
①単焦点レンズ
これは普通のシンプルな凸レンズです。
ですのでピントが合う距離は一つしかありません。
普段運転など遠方を見る事が多い人なら遠目のレンズに、
デスクワーク中心なら近目のレンズを選びましょう。
前者が手元を見る時は老眼鏡必須となります。
後者が遠くを見る時は普通に眼鏡が必要となります。
単焦点レンズは保険が効きますので、片眼1~3万円ほどで済みます。
②多焦点レンズ
これは一つのレンズなのに遠くにも近くにも焦点が合う様に作られた特殊レンズです。
メガネも老眼鏡も基本的に不要になります。
なので自費扱いとなり、片眼40~50万円かかります。
ただしデメリットも有ります。
眼に入ってきた光を遠くと近くに分けるので、鮮明さ(コントラスト)が単焦点レンズに比べるとやや劣ります。
また、夜の街灯の光などに二重三重の輪のような物が見える「ハロー」「グレア」といった現象が生じます。
なので夜間の運転などが多い人にはお勧めしません。
どれを選ぶか、悩みますよね~
「試着」とかできれば良いのですがそうはいかないので、しっかりと考えた上で選ばなくてはなりません。
「こんなはずじゃなかった!」
となって再手術して別のレンズに換えるというのも可能ではありますが、できればそれは避けたいです。
折り畳まれた人工レンズを挿入するのは簡単ですが、それを取り出すのは切り刻まなくてはなりません。黒目に更に大きな切開をする必要があってリスキーです。
それでも白内障は長生きする限り必ず100%誰にでも生じる老化現象の一つです。
DQXの様なゲームをする上で不自由を感じているのなら、手術を受けるメリットは大いにあると思います。
明るくクリアになりますし老眼も解消されますのでね。