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自宅の菌類

アオマリモ

[アオマリモ]

キャラID
: RU977-303
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

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アオマリモの冒険日誌

2017-07-23 23:05:19.0 2020-09-30 12:12:07.0テーマ:その他

街談機関 その5「ガタラ財宝発掘倶楽部」1

「お前、なんでそんな大借金してんの?」と言われたときに、決まってうそぶく台詞がある。

「親友に金を貸したことは、今でも間違った選択だとは思ってない」

昔から、金銭が絡むことについてはからっきしであるため、未だに「連帯保証人」という制度の詳しい実態は理解してない。
ただ、誰かに騙されてそういう契約を結んだという言い訳をする気もさらさらない。
ある人が借金をするために、親しい別の誰かを連帯保証人に指名することがあること。
連帯保証人は直接金を借りた奴と同等の責任を負う上、「あいつから先に金を徴収しろよ!」と文句をつける権利がないこと。
直接借りた奴が金を返す目処が立たなくなったら、連帯保証人、つまり俺が大金を払わなきゃならないこと。
その辺のことは薄っすらながら理解出来たので、そこはきちんと承認済みで契約を結んだ。
だから正確に言うんだったら「金を貸した」というより「名義を貸した」と言った方が正しそうだが、契約内容自体うまく理解できてないんだし、他人に丁寧に説明するのも面倒だから、単純に「金を貸した」と言っている。

きっかけというのもそんなに珍しくはない。俺が学生だったころの親友が、とある職場であくせく働く俺の元にふらりとやってきて、「夢だったガタラーヒルズ建設の資金調達のために、連帯保証人になってくれないか」と頼んできたのである。

契約を結ぶにあたり、俺が大事だと思ったのは、金を返すアテがちゃんとある起業なのかとか、自分が損をしないための何たらではない、その金を貸した親友が「夢に向かって行動している」という点だった。
それまで鬱屈した人生を送ってきた友人が、一度きりの人生に花を添えようとしている。男子が漢(おとこ)へ化けようとしている様を見て、是非とも手を貸したいと思うことの何が悪い。例え失敗しようとも、言い訳せず堂々と自分の尻拭いが出来れば、手を貸す者として文句の一つも付けられようか。
そう思って、親友の一念が実を結ぶことを祈りつつ、連帯保証人に名を連ねた。

この時点では少なくとも、その男は自分の尻拭いくらいは出来る男だとは思っていた。
だから、その男が経済界に無残な敗北を喫して、気付いたら雲隠れしていたというのは、俺にとっては大変不本意な結果だった。
要するに、俺の目が曇っていたのだろう。

親友には文句の一つも言ってやりたかったが、俺自身「金が入らなかったら、ドワーフの拷問係に指詰められる」という噂に怖気ついて逃げ出した手前、何も言えない。
何も言えないが、でもやっぱり腹は立つので、その親友がどういう奴だったのか詳述するのは避ける。
ただ一点、勇敢な言葉を連発して、自分を実際より大きな人物に見せるのが得意な奴だったとだけ言っておく。

金を稼ぐのは辛い。しかし、金を貸したことは後悔していない。
2ヶ月の逃避行の末に例の「借金取り」に捕まり、億単位の借金を抱えた生活を余儀なくされてる現在でも、その一点だけは譲っていない。
誰かに話したところで、万人に同意される自論ではないことは承知している。あの頭スッカラカンなウェディの「怪盗もどき」や、エキセントリックな言動を繰り返すプクリポの「化け狸」も、このエピソードを聞けば鼻で笑い飛ばすだろう。
それで一向に構わない。大事なのは初志貫徹することである。
それで構わないはずなのに、涙が溢れるのは何故だろうか。

何が言いたいかというと、俺は自分で思っているほど賢くもなく、しかも自分の尻も拭いきれない男だということである。

前置きが随分長くなってしまった。
以下の文章は、俺という冴えない男の一代記、憎っくき借金取りの女に反旗を翻すべく、愉快な仲間(?)と金稼ぎに奔走する毎日…の一部を切り取ったものだ。
「汗臭い」とか「バカバカしい」などと敬遠するなかれ。日々を全力疾走する者にとって、自分の見目なんぞ些細な問題なのだ。
うすら笑いの賛辞を贈られるより、万人に罵倒される大願成就の大道を行くことこそ冒険者(アホウ)の誉れ。
願わくば、あの金色のコイン1枚に一喜一憂する我らに熱い声援を。あと、出来ることなら現金を。

(続き・http://hiroba.dqx.jp/sc/diary/127254852654/view/4808605/)
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