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自宅の菌類

アオマリモ

[アオマリモ]

キャラID
: RU977-303
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

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アオマリモの冒険日誌

2018-02-04 22:04:11.0 2020-12-20 20:51:21.0テーマ:その他

街談機関 その5「ガタラ財宝発掘倶楽部」14


「………」

黒づくめの人物は、地面に転がって組み合ったまま固まっている俺ら2人をじっと睨んだまま、一言も喋らなかった。
暫くじーーーっと見つめ合ったが、黒づくめの人物が首を牢の外へクイッっと振ったことで、ようやく「外へ出ろ」と言っているのだとわかった。

俺と怪盗もどきは、これ幸いとバタバタ牢の外へ這い出した。
俺は牢の外で改めて黒づくめと正面から向き合った。やはりかなり小柄だ。黒づくめの頭は、俺の胸元くらいの位置にあった。俺より背の高い怪盗もどきと比べるとまた身長差がすごい。

「…あ、あのー…ありがとうございました、助かりました…」

「………」

なおもじーっと俺ら2人を見つめる黒づくめ。キレイな目をしていた。

「あの、なんか喋ってくれても…そもそもあんたはどちらさま」

「ありがっとーーーーう!!めっちゃ助かったよお嬢さん!!!このままじゃ僕らキラーマシンに3枚下しにされるとこだったよ!!」

相手の出方を慎重に探ろうとした俺を袖にして、怪盗もどきがババッと黒づくめの手を取った。

「いやー僕は幸せだよまさかこんな冴えない仕事場に来てこんな目元のキレイな女の子に助けてもらえるなんてこれって運命絶対運命いや運命でなくてなんなのこれは命を懸けて恩返ししなくちゃそうだ連絡先交換してくんない今すぐバザーに行って君を称えるキレイな花束を送らなきゃ」

黒づくめの手を取ったままブンブン振り回して興奮する怪盗もどき。ああ、女性信者ってこういう意味ね。普通にキモイ奴だった。
黒づくめは目を見開いたまま、腕をされるがままに振り回されている。心中お察しする。

「…って、え?コイツ女なの?」

「は?何?見て分かんないの?この白磁のような肌から覗く深い海のような藍色を見て一目で女性だとわからないの?君の眼は飾りなんだね絶対そうだ!君みたいなデリカシーのない輩は一生女の子と結婚できないよ!」

「うるせぇうるせぇ!デリカシーがないことは認めるがお前みたいなキモイ男にだけは言われたくないぞ!この女狂いめ、女に腹を刺されてレンドア近海に沈んでしまえ!」

ぎゃあぎゃあ騒ぐ俺たちを見て、黒づくめは怪訝そうな表情を浮かべた、ように見えた。若干憐れみの視線が混じっているように見えるのは気のせいか?

と、黒づくめが怪盗もどきに掴まれたままの腕を軽く振った。結構がっちり掴んでいるように見えたのに、一振りで怪盗もどきの両手が離れた。
そして黒づくめはわずかにしゃがみ、縮めた足を一気に伸ばした。パンッという小気味良い音を立て、黒づくめは俺たちの上空に舞い上がり、頭上にそびえ立つ崖の端を掴んだ。そのまま崖をよじ登った彼(彼女?)は、俺たち2人の視界から消えてしまった。あっという間の早業だった。

「あ~~~行っちゃった…可愛い子だったなあ…」

「あの恰好じゃ顔わかんねえだろ」

「絶対美形だよあの子、僕にはわかる」

「…まあ、エルフ女子が美女揃いなのは俺も認めるけどさ」

鉄格子を切る短剣術に、軽いジャンプで崖に掴まる身体能力。明らかに一級冒険者に匹敵する実力だ。
あれはまるで、演劇に出てくるニンジャのようだ…と考えた辺りで、昨日ゴズ渓谷で会った「白ニンジャ」を思い出した。俺が狙っていた「いやしの雪中花」を華麗に奪い去っていった謎多き小男だ。ニンジャっぽい恰好ってだけで連想してしまった。
いや、普通「ニンジャっぽい恰好」なんて物好きな冒険者しかしない恰好、それだけでも同じグループに所属してる可能性は高いか…?よくわからん。
そもそもあの「黒ニンジャ」、なんで俺たちを助けたんだろうか?いきなり出てきていきなり助けて、まるで意図がわからない。なんだろ、「通りすがりの冒険者です」ってやつか?

つい癖で「黒ニンジャ」の正体について考え込みそうになったが、すぐに今は深く考え込んでいる場合ではないことを思い出した。

(続き・http://hiroba.dqx.jp/sc/diary/127254852654/view/5120433/)
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