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自宅の菌類

アオマリモ

[アオマリモ]

キャラID
: RU977-303
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

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アオマリモの冒険日誌

2020-09-29 22:34:11.0 2020-09-29 22:50:30.0テーマ:その他

街談機関 その5「ガタラ財宝発掘倶楽部」44

なぜそんな状況が生まれたのか。ここからはコールタール家のちょっとした家庭事情が絡んでくる。
コールタール家はエルフの一家で、夫婦2人に息子1人、使用人多数で構成される。主人はドワルゴン商会の幹部で、貿易商としての腕で成り上がった腕利きである。
息子は今年15歳になるのだが、この少年は幼少期、ある事件を起こしている。ガタラ原野遠征である。
11年前のことである。わんぱくが過ぎた当時の息子は、わずか4歳にして魔物ひしめくガタラ原野へ進出、1日ほど行方不明になったのだ。コールタール夫妻と使用人たち(当時はまだ数人)は大騒ぎで探し回り、ガタラ原野の川べりで大泣きしている息子を発見した。危険な原野を歩き回った息子は大目玉を食らったが、特に怪我もなく、一同胸を撫で下ろした。
それだけなら割とよくある子供の事件なのだが…ここで一風変わった噂が町中で流れる。「コールタール家の息子が、噂に名高いコルセットの埋蔵金を見つけた」というのだ。
コールタール家の主人はすぐに、息子に話を聞き出したが、無論そんな事実はなかった。代わりに、息子のやんちゃの中身がわかったのだ。
息子はかねてより「秘密基地」というものを欲しがっていた。伝説の海賊がお宝を隠すような秘密の隠れ家である。そして通ってる保育所の友達に「俺は某海賊の残した伝説の秘密基地を見つけたんだぞ!」と自慢したかったのだ。そのためにガタラ原野に進出し、秘密基地にふさわしき洞窟を探したのである。
そして彼は見つけたのだ。川べりの小さな穴ぐらの奥に、大人も知らないウルベア遺跡の未発見地区を。
そうして彼は、両親に買ってもらった大事なおもちゃを、同じくおもちゃの宝箱へ詰めて、遺跡の奥底まで運び入れた。
そこまでは良かったのだが、いざ家に帰ろうと洞窟を出ると、辺りはすっかり暗くなっていた。うっそうとした夜の森の独特な怖さに怖気付いた息子はついに泣き出した。そして、魔物が寄ってくる前に間一髪、両親に発見されたというわけだ。

詳細を聞いた主人は呆れたものの、息子をギュッと抱きしめ、そのまま話を終えた。
そして、町に蔓延した噂の真相を広め…たりはしなかった。元より根拠のない話、放っておけば鎮静化するだろう…と思ったのが主な原因だが、それ以外にも「噂を否定せずに広めておけば、面白好きの商売相手と面識を作れるかもしれない」…と考えたのだ。

それからだ。コールタールの主人が大口契約の締結に次々成功し、ドワルゴン商会内で出世していったのは。主人の当初の思惑通り、「埋蔵金を見つけた子供を持つ商人」として、そこそこ大物の商人たちが面白がり、コールタールの主人に次々と接触したのだ。しかし、その人数は主人が予想した以上の人数だった。
誤解がないように言うと、数ある商談の成功を導いたのは、あくまでコールタール氏の手腕による。「埋蔵金」の件はあくまで、話の導入として利用した程度のことである。
しかし、「コルセットの埋蔵金」という存在は、確かにコールタール氏の地位向上のきっかけとして重要なウェイトを占めるに至った。

コールタール氏の息子は、その無邪気な埋蔵金自慢作戦を続行した。お手製の「宝の地図」を作成し、愛犬の首輪の中へ隠したのである。
その後、実際に友達へ向けて「埋蔵金を見つけた」と吹聴したのかは定かではない。むしろ、「埋蔵金」の正体が今まで露見しなかったあたり、地図を隠したところで飽きて、そのまま別の遊びを始めてしまったのかもしれない。少なくとも、最初の事件から11年経った今、彼は当時のことをすっかり忘れてしまったようである。

(続き・https://hiroba.dqx.jp/sc/diary/127254852654/view/6389344/)
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