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自宅の菌類

アオマリモ

[アオマリモ]

キャラID
: RU977-303
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

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アオマリモの冒険日誌

2020-09-29 22:39:34.0 2020-09-29 22:47:13.0テーマ:その他

街談機関 その5「ガタラ財宝発掘倶楽部」47

さて、最後に強盗団の行方について話す。

事前の俺たちの読み通り、コールタール家豪邸を後にした強盗団の面々は「埋蔵金確保班」と「逃亡準備班」に分かれて行動していた。
あの洞窟での攻防の後、「埋蔵金確保班」は水没した洞窟から脱出し、手筈通り「逃亡準備班」の元へ走ったのだが…
集合場所であるガタラ原野の川べりには、裏クエスト屋の腕利き使用人に捕まった仲間たちの姿があった。
彼らの計画としては、ガタラ原野を流れる川を、あらかじめ用意していた船数隻で下り、いけるところまで逃げ切る…というものだった。この「船」の手配という段階で、あっさり足取りを掴まれてしまったわけだ。
とても呆気ない最後である。

「最後まで見通しの甘い連中だったよ」と店主は語る。
「まあ、報酬金を支払えないとなったらなったで、こっちに泣き寝入りしてたら、それなりの処遇にするつもりだったんだけどね。報酬金未払いに飽き足らず、うちに正面からケンカを売った上に、雑に逃亡しようとするからこうなる」

実のところ、裏クエスト屋としては、強盗団のクエストが失敗しても「実はこういう事情があったのだ」と説明して、ある程度補填する用意はあったらしい。連中は多少の報酬を受け取るチャンスすらもふいにしてしまったのだ。

「あー、貧乏人は自棄になるから嫌だ嫌だ」
せいせいしたというような台詞に反して、終始ニヤニヤした顔をしていた。性格の悪さが如実に現れている。

「捕まえた連中はどうするんだい?鉱山送りとか?」と怪盗もどきは尋ねたが、「やめとけ、飯がまずくなるだけだから」という化け狸の言で、答えは聞かなかった。
俺も化け狸に賛成だ。絶対ロクな答えが返って来ない。

ちなみに、作戦決行前に話題になった「埋蔵金確保班」と「逃亡準備班」の人数比についてだが。
正解は「埋蔵金確保班」が16人、「逃亡準備班」が4人だったそうだ。
「埋蔵金確保班」の人数が、予想より3人多かったわけだ。あの狭い空間で全員と戦う羽目になるとは考えにくいが、断続的に襲われていたら俺たちが危なかったかもしれない。
そこは運が良かったネ、ということで。

===

長い長い夜が終わり、裏クエスト屋で仮眠を取った後に外へ出ると、時刻は10時を回っていた。
昨日の深夜にコールタール家に突入してから、裏クエスト屋まで戻ってくるのに4時間。
…嘘だろ?あのドタバタが4時間こっきり?全然長くないじゃん。なんて濃密な夜だったんだ。

バキボキと首を鳴らす化け狸の元に、「ばうばうばうっきゅーんきゅーん」とやかましく駆け寄る影があった。なんと、件の犬ことエルザちゃんじゃないか!

「おーおー無事だったかエルザちゃん!わー、わしゃわしゃわしゃわしゃ」

エルザちゃんにもちくちゃにされつつ、化け狸はエルザちゃんを撫で回した。犬同士の取っ組み合いに見えた。

「なんでエルザちゃんがここにいんの」

「え?そりゃお前、強盗団の連中にさらわれていたからに決まってるだろ。連中、俺様が首輪に仕込んだ地図を手に入れただろ?その後、エルザちゃんを始末するつもりだったらしいんだが、俺様が割って入って、うまいこと混乱させて逃したのさ。こう、熊に化けて脅かして」

がおーというポーズを取る化け狸。全然迫力がない。

「なーお前、色々うまくやったのかもしれないけど、結構いらんことや周りくどいことやらかしてないか?」

「痛いとこ突くなよ…まー、ポリシーとクエスト事情が入り混じったせいで、とんでもない回り道をしたのは確かだな。もうこんな面倒なプロセスは取らないつもりだ。正直、えっらい綱渡りだったぜ」
まあ、それも楽しいんだが…とうそぶく化け狸。結構な傑物なんじゃないかと思ったのは内緒だ。

ひとしきり化け狸とじゃれ合った後、エルザちゃんは再び駆け出して去っていった。果たして、コールタール家に戻っていったのか、野良の道を突き進むことにしたのか。
自由の身になった犬の行方は知れない。

(続き・https://hiroba.dqx.jp/sc/diary/127254852654/view/6389351/)
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