目覚めし冒険者の広場-ドラゴンクエストXプレイヤー専用サイト

自宅の菌類

アオマリモ

[アオマリモ]

キャラID
: RU977-303
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

ライブカメラ画像

2D動画 静止画

写真コンテスト

{{ photoImg }}
さつえい日  :  {{ photoDate }}
さつえい場所  :  {{ photoZone }} ({{ photoWorld }})
{{ photoImg }}
{{ photoImg }}
{{ entryTitle }}
{{ mangaImg1 }}
{{ mangaText1 }} 
{{ mangaImg2 }}
{{mangaText2 }} 
{{ mangaImg3 }}
{{ mangaText3 }} 
{{ mangaImg4 }}
{{ mangaText4 }} 

アオマリモの冒険日誌

2024-03-03 23:51:27.0 2024-03-20 19:08:27.0テーマ:その他

街談機関 その8「精算/清算」22


「もう、三十年くらい前になるか……街中で出会った大人の中に、薄ら暗い仕事を受けたあたしを咎めて叱るやつがいてなあ。保護者面でぎゃあぎゃあわめいてて、あたしが撒いてもしつこく付いてきて、仕事してる最中でもずっと『もっとマシな仕事しろ』ってずーっと説教してんだ。そのうちめんどくさくなって、言わせるまんま一緒に旅するようになった。そのおっさん、わき目も振らず人助けしたがるクチなくせにくそ弱くてさ。そのうちあたしがお守りするようになっちまった」

 酔いが回っているのか、母はふわふわとした口調で長話を始めた。

「父さん……ケチャのやつも最初の頃は、おっさんに触発されたんか、よくあたしに突っかかった。おっさん、あたしへの説教に飽きたら、学者気取って色々くっちゃべるからさ、いいとこの坊ちゃんには、大人びた人生の師匠みたく映ったんでしょ――これぞタリュー・マジックってね。あんたはあんな女泣かせの、しょうもない大人になるんじゃねーぞ」

「ハハ……女泣かせはいかんよなあ」

「ほんとだよ。自分に惚れてた女残しておっ死んじまうんだから……あ、言っとくけどあたしじゃないよ。もう一人いたんだ、あたしの旅仲間。妹みたく可愛がってたんだ。陶器みたいな目をしてたけど、あいつも不憫なやつでさあ……」

 だんだんと呂律が回らなくなった母は、お猪口を握ったままカウンターに突っ伏して、くうくうといびきをかき始めた。酒に弱いのに酒豪ぶって飲むからだ。やれやれと俺は頭を掻いた。

 母との会話を反芻し、強烈な戸惑いを胸に押し込んだ俺の横で、母は一言、寝言をついた。

「悪党でもいい……あんたは生き汚く生きるんじゃよ……」

 ぷうぷうと寝息を吐く母に、俺は「へい」と返事した。

***

 居酒屋の会計を済まし、母をおぶって実家に帰りついた頃には、時刻はてっぺんを回っていた。にも関わらず、庭先のランプは付きっぱなしだった。
 玄関口には父がもたれかかっていた。仕事で何かあったのか、精魂尽き果てたという表情だったが、俺と母をにこやかに出迎えた。

「老いた母を背負う気分はどうだい?」

 父はニヤニヤと俺に聞いた。俺はただ一言、

「腰が抜けそうだ」

 とおどけて答えた。

 ――こうして、俺は家に帰った。

(その8・了 第5エピソード「精算/清算」完了)

・続き:
https://hiroba.dqx.jp/sc/diary/127254852654/view/7758168/
いいね! 0 件

ログインしていないため、コメントを書くことはできません。


戻る

ページトップへもどる