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自宅の菌類

アオマリモ

[アオマリモ]

キャラID
: RU977-303
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

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アオマリモの冒険日誌

2024-03-31 22:08:51.0 2024-03-31 22:14:02.0テーマ:その他

街談機関 その9「それから」12


 そっけなく言うポポムの目は据わっていた。殺気とまでは言わないが、ポポムから剣呑なオーラが湯気のように発せられていた。
 裏クエスト屋店主とポポムもまた、浅からぬ因縁があるらしい。

「……裏クエストが嫌いとか言いながら、俺に尾行を付けなかったことは、感謝してる」

「あんたは関係ない。あんたが絡む前から、キリンに『裏クエスト屋はほっとけ』と言われてたのよ。キリンが絡んでると、やるべき調査もやりにくいってだけよ……ふん、私も左遷が近いかしらね」

 担当官が無能なのも悪い……と、ポポムがぼそりと付け加えたのを聞き逃さなかった。ほんと悪いヒトだな、この姐さんは。
 俺とポポムはしばらく、スラムの方を観察した後、それぞれの宿に向けて去った。

 ――ポポムが聞かないのをいいことに、俺にもポポムに対して黙っている事柄があった。
 裏クエスト屋店主が岳都ガタラを去ったあの日、俺はあの男に会っていたのである。

***

 数日前。ガタラズスラム、裏クエスト屋にて。

 スラム街の地下に建てられたレンガの隠れ家は、生気を失ったかのようにひっそりとしていた。普段ならランプで煌々と照らされている隠し通路は、灯りが弱められて埃が積もっている。
 それほど長くない通路を抜けて店舗に入ると、これも普段の様相とは違っていた。酒場を模したようなテーブルと椅子は片付けられ、部屋の隅に追いやられている。カウンター奥の棚に、酒瓶と一緒に仕舞われていた書類も既に見当たらない。
 唯一、カウンターにもたれかかってふんぞり返るオーガの男のみが、普段と変わらない態度を保っていた。その傍で、燕尾服を来た若いエルフが、箒で塵ごみを払っていた。初めて見る顔だが、恐らくは店主の部下――『おぼろ忍群』のメンバーだろう。さりげない所作でこちらを細く睨まれたが、俺も睨み返して張り合った。

「よくも生きて帰ってこれたもんだね。絶対死ぬと思ってたのに」

 オーガの店主がいつも通りの憎まれ口を叩いた。頬杖をついて浮かべる憮然とした表情は、予想を外したというかのように、心底つまらなさそうだった。
 別に店主の気持ちに寄り添う義理もないので、俺もぶっきらぼうに返答した。

「とっとと逃げた奴が、嫌味を言うんじゃないぞ」

「嫌味じゃないさ、実際大したもんだ。
 実物は見てないけど、あの島に現れた『紫色のドラゴン』、ありゃ多分魔王クラスの怪物だよ。そんなもんに追い掛け回されて、五体満足で生き延びるとはね。おぼろの面子でもなかなかできる芸当じゃない。
 君みたいなちんちくりんでも、うまく逃げるだけ成長してたってとこか――もしくは、優秀なサポーターでもいた?」

 店主は品定めするようにねめつけた。俺はそっぽを向いて、視線を合わせないようにした。

「俺に聞かんでも、大体勘付いてるだろ」

「まーねー。大方、キリンの経路誘導でもあったんでしょ。
 ドラゴンの視線を遮りながら、最短経路で世界警察の陣に逃げ延びるルートを爆走したからこそ、君は大した怪我もなく逃げ切れたんだ。一歩間違ってたら、ドラゴンのブレスで即とどめを刺されてた。
 ミカヅチさんから見ても見事な逃走だったっていうし、流石に単独でやり切るのは無理っしょ」

 店主は得意げな顔で推理を披露した。実際当たっているから大したものだが、褒めるようなことは絶対言ってやるものか。
 それに、俺は別のことが気になりだした。

「……ミカヅチ……」

 ミカヅチという名前は覚えがある。数日前に裏クエスト屋に来た際、ここの従業員を名乗って応対された初老のエルフだ。しかしあの日のオールドレンドア島に来ていたという話は初耳である。
 単に遭遇しなかっただけ……と考えれば簡単なのだが、俺の勘が何か引っかかるものを告げていた。

・続き:
https://hiroba.dqx.jp/sc/diary/127254852654/view/7768952/
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