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自宅の菌類

アオマリモ

[アオマリモ]

キャラID
: RU977-303
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

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アオマリモの冒険日誌

2024-07-14 20:42:25.0 テーマ:その他

街談機関 エピローグ「補講:キリンについて」28


「……君は、勝手に死なないでね」

「約束はしねえ。多分、あんたより俺の方が先にくたばるだろうよ。
 ただ、死に急ぐことはしない。死ぬなら、あんたを守るためだ」

「……」

 青年は、竜にひざまづいて、二つ目の誓いをした。

「あんたが世界中のヒトビトから石を投げられても、俺は必ずあんたの側に立つ。あんたが自殺を望んだら、俺も手を尽くそう。
 その結果として俺が死んだら、小指でもなんでもくれてやる」

「……カッ」

 竜は喉を短く鳴らして、青年の額を弾いた。照れ隠しだろう。

 青年も竜も、身の内にある感情に名前を付けることを拒否した。そうでなくても、ありきたりな名前を付けるには、この感情は複雑すぎる。
 愛し合いながら殺し合い、罵り合いながら絡み合う、その激しい熱を、そのまま受け止めようと思った。その感情の行く先は、誰も知らぬ。

 キリンは小屋の扉を開け放した。ジャックはキリンの目を見ながら、扉をくぐった。

「じゃあ、また」

「またね、少年」

 短い挨拶の後、青年と竜は時空を隔てて別れた。

***

 雑踏。レンドア駅は今日も行き交うヒトビトの姿で大賑わいだ。

 青年は、たった今出てきた扉がかき消える様を見ながら、傍らに立つ忍者を見た。ジトッとした目で青年を睨んでいる。「ジャックさん、覚悟はできてるです?」と言いたげである。

「大丈夫だ、多分。嘘つきな正義の魔女は、男への執着が強いんだ」

 なんてことないように青年は言う。忍者はわずかに肩をすくめながら、駅の出口に歩み去った。

 忍者の後ろ姿を見ながら、青年は今後の予定を思案した。特に何も思いつかなかった。傭兵組合に出した有給申請は、まだ何日か残っている。
 うーん、と頭をひねること数秒。ポンと手を叩いた。

「……よし、ラッカランに遊びに行くか!!」

 そう、能天気につぶやいた青年は、レンドア駅の大階段を登っていった。

 ありふれた青年の姿は、すぐに雑踏に紛れていった。

(エピローグ・了 第7エピソード「補講:キリンについて」完了)

<<街談機関・完了>>

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