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ガオー牙王

イッキュウ

[イッキュウ]

キャラID
: MO364-367
種 族
: エルフ
性 別
: 男
職 業
: 遊び人
レベル
: 136

ライブカメラ画像

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イッキュウの冒険日誌

2025-10-13 10:09:08.0 テーマ:その他

光を継ぐ者達 第四章 断罪の因果 第六話 託す盾、託された槌

第六話 託す盾、託された槌 

「さあ選べ! 魔王様に平伏すか否かを!
――はい か いいえ。答えはただ一つを残すのみ!!」

 ハーゼルの声が、石窟に木霊した。
 無数の死霊兵が迫り来る中、冷酷な問いがセリアとバロムの胸を突き刺す。

 最初に声を発したのはセリアだった。
「……答えは“いいえ”よ!」

 盾を強く握りしめ、前へと踏み出す。
「絶望にひれ伏すことなんてしない。私たちは、自分で選ぶ。過ちを繰り返さない未来を!」

 バロムもまた槌を肩に担ぎ、鼻で笑った。
「俺たちにはなぁ、仲間を見捨てるって選択肢はねぇんだよ!!」

 二人の反抗に、ハーゼルは薄く目を細めた。
「……そうか。ならば、“否定”という選択をもって証明するがいい。
 もっとも、それこそが愚かさの証明だがな」

 足元に灰色の魔法陣が広がり、死霊兵の群れがさらに湧き出す。
 彼らの鎧は錆びつき、眼窩の奥には光もなく、声ひとつ上げず迫り来る。
 人であった頃の記憶すら失ったかのように、ただ命令に従い、仲間を踏み潰してでも進む。
 その異様な光景に、石窟の空気は重苦しい死の匂いで満ちていった。

「はあああッ!!」
 バロムの大槌が唸りを上げ、鎧の亡霊を粉砕する。 だが、砕かれた骨と鉄片の隙間を埋めるように、新たな兵が無言で押し寄せてくる。

「フバーハ! スクルト!」
 セリアが盾を掲げ、仲間を守ろうと光の加護を放つ
「リバースターン」

 ハーゼルが低く呟くと、青白い魔法陣が展開し、セリアの光を吸い込むように掻き消した。

「くっ……!」
 魔法の加護を失った二人に、死霊兵の物量が雪崩れ込む。
 セリアの額から汗が滴り落ち、バロムも荒い息を吐きながら必死に槌を振る。

 その時――。

 セリアの盾が、ひとりでに淡く光を帯びた。
 青白い閃光が石窟を照らし、遠く、時の狭間に囚われたリクの斧と呼応する。

「……これは……」
 セリアの胸に、確かな想いが流れ込んできた。
 ――行け。仲間を救え。
 盾はそう語りかけているようだった。

 セリアは自身が破滅の種子に蝕まれた時のことを思い出す。
 賢哲の盾と融合した神鉱石の力を使えば、自身の魂を時の狭間に飛ばすことができるかもしれない。

 セリアは唇を噛み、バロムに告げる。
「……バロム。私、行く。魂を時の狭間に飛ばして、リクを助け出す!」

「なに……?」

「盾と融合した神鉱石の力を使ってリクを救い出す!以前、バロムとリクがそうしてくれたように!
 但し、その間、私は戦うことができないわ!肉体も取り残される!
 もし……肉体が無くなれば私もリクも、この世界から消える……!」
 声は震えていた。選択の重さに押し潰されそうだった。
 セリアの心に恐怖が広がる。
 肉体を置いて魂だけで飛ぶなど、戻れる保証はない
 自分の体が敵に斬り伏せられたら、リクを助けるどころか、共に滅びるだけ。
 ――怖い。だが、それでも。
 目を閉じると、笑っていたリクの顔が、必死に戦った仲間の姿が、心に浮かぶ。

 セリアの言葉に、バロムは一瞬も迷わなかった。

「わかった! 行け!!」

 豪快に笑い、血に塗れた槌を肩に担ぎ直す。
「リクには命懸けで村を救ってもらった恩がある。俺の命くらい安いもんだ!
 だから行ってこい! 引っ叩いて、首根っこ掴んで、さっさと連れ戻してこい!!」

 その声に、セリアの瞳が揺れる。
 胸に抱いた恐怖心が一瞬にして氷解していく。

「バロム……」

「安心しな。お前たちの肉体は、俺が命を懸けて守ってやる。
 だから、俺を信じろッ!!」

 彼の瞳は炎のように熱く、鋼のように揺るがなかった。
 セリアは深く息を吸い、真剣に頷く。

「……わかった。信じるわ!」

 盾を高く掲げる。
 光が爆ぜ、魂を時の狭間へと解き放つ。
 セリアの肉体は静かに膝をつき、光に包まれたまま動かなくなった。

「クク……」
 ハーゼルが嘲笑を漏らす。
「もっとも愚かな選択だ。未来を選択した者の末路を見せてやろう!」

 だがバロムは獰猛な笑みを浮かべ、槌を握り直した
「俺の仲間には、指一本触れさせねぇ!!」

 大地を震わせる咆哮と共に、大槌が振り下ろされる
 死霊の群れが次々と砕かれ、黒い欠片が飛び散る。 だがその後ろからなおも群れが押し寄せる。

 ただひとり、背後に仲間を庇いながら、
 バロムは巨岩のように立ちはだかっていた。
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