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ガオー牙王

イッキュウ

[イッキュウ]

キャラID
: MO364-367
種 族
: エルフ
性 別
: 男
職 業
: 遊び人
レベル
: 136

ライブカメラ画像

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イッキュウの冒険日誌

2025-10-13 10:13:41.0 テーマ:その他

光を継ぐ者達 第四章 断罪の因果 第七話 幻影の村

第七話 幻影の村

 ――光に包まれ、セリアは目を開いた。

 そこにあったのは、見覚えのある村の入り口。
 柵に絡まる蔦、畑を耕す村人たちの姿、遠くで聞こえる子どもたちの笑い声――。
 それは、リクの故郷の光景だった。

「……リクの、村……」

 呟きながら、セリアは村に足を踏み入れる。
 すると、初めて訪れた旅人を迎えるように、村人たちが優しく声をかけてきた。

「おや、珍しいな。旅のお方かい?」
「まあまあ、こんな辺境まで……大変だったでしょう」

 セリアは胸が締めつけられるような感覚を覚えながらも、勇気を振り絞って尋ねた。

「……この村に、リクという青年はいますか?」

「ああ、リクかい」
 村人はすぐに頷き、懐かしむように語り出した。

「両親を早くに亡くしてな、村の外れの小屋で、妹のティナと二人きりで暮らしているよ。木を伐り、薪を作って、毎日なんとか糧を得ているが……苦労の多い暮らしさ」
「村の皆も、あの子達を案じてるんだよ」

 セリアは深く頭を下げた。
 そして足早に村の奥、リクの家へと向かっていった
 ***

 リクは村の通りを駆け抜けていた。
 遠目に見えたセリアの姿に、心がざわついていた。
 ――なぜ彼女がここに?

 幻なのか現実なのか、答えはわからない。
 だが、脳裏にはあの夜の記憶が蘇る。

 村を襲った強大な魔物。炎に包まれる家々。倒れていく人々。
 それは魔王の眷属の仕業であり、今にして思えば、自分とセリアを狙ったものだったのかもしれない。

 「村を守らなきゃ」――そう思う心がある。
 けれど「ティナだけは失いたくない」という想いがそれを覆い隠す。

 守るべきは村か、妹か。
 二つの選択肢が、ぐるぐると頭の中を駆け巡る。

 やがて家に辿り着いたリクは、荒い息を吐きながら扉を開け放った。

 そこには、継ぎ接ぎの布団に小さな体を沈める妹の姿があった。
 病弱で、幼い。あの日と同じ、愛おしい存在。

「……ティナ」

 リクは膝をつき、その傍に座り込む。
 この世界が幻か本物か、もはやどうでもよかった。
 ――二度と失いたくない。

 それがリクのすべてだった。

 やがて、ティナが目を開ける。
「……どうしたの? お兄ちゃん……怖い顔してる」
 リクは微笑みを作り、震える声で言った。
「大丈夫だよ」

 そう告げ、妹を布団から抱き上げる。
「ティナ、とにかく村から離れよう。ここにいたら危ない」

 病弱なティナには長い距離を歩くことはできない。 リクはその細い体を背負い、必死に村外れへと歩を進めた。

 その時――。

「リク!」

 背後から声が響いた。
 聞き間違えるはずのない、聞き慣れた声。

 振り返ったリクの瞳に、長い黒髪を揺らす少女の姿が映る。

「……セリア……!」

 背に妹を抱えながら、リクは目を見開いた。
 現れたのは仲間か、それとも幻か。
 わからない。だが、その姿がすべてを揺さぶった。
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