※なりきりの一環です。苦手な方はここでお閉じ
下さい。
一日中歩き詰めだ。景色も大して変わらないし、
針山だの血の池だの物騒なものも出てくる気配は
ない。良く言えば楽なのだが、悪く言えば退屈だ。
淡々と同じ道を歩き続けるのを想像してみてほしい。死ぬ程退屈だ。まあ実際死んでいる訳だが。
今日も大して変わらない。まあ気長にいくとしよう。あと、こっちにも昼夜の概念があって良かった。
時間が分からなくなるのが一番怖いのである。
歩いていたら突然、斬りかかられた。魔物だ。
そりゃそうだ、何も死ぬのは人だけではない。
魔物も死んだらこっちへ来るに決まっている。
どうしようか。今私は丸腰、相手はガッツリ武装している。ずっと攻撃を避ける、逃げ続けるというのは
土台無理な話だ。ああ、何かないか。辺りを見渡す。見つけた。少し先だが、朽ちた鎧の山がある。あそこまで辿り着ければ、きっと何かあるだろう。
ヤツが武器を振りかぶってきた。今がチャンスだ。
間一髪攻撃を避け、鎧の山へと転がり込む。
読みどおり、傷んではいるものの、一本だけまだ使えそうなものがあった。これで応戦ができる。
また振りかぶってきた所を、避けて思い切り斬りつけた。打ちどころが悪かったのか、それきり動かなく
なってしまった。そういえば、魂の状態に死という概念はあるのだろうか。あるとするのなら、冥界では
なくどこへその魂は向かうのだろう。もしくは、
消えて無くなってしまうのだろうか。先に仕掛けて
きたのはコイツだったとはいえ、何だか凄く申し訳なく思えた。