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思い出の星巡り

レニィアーゼ

[レニィアーゼ]

キャラID
: ME080-280
種 族
: 人間
性 別
: 男
職 業
: 旅芸人
レベル
: 133

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レニィアーゼの冒険日誌

2017-04-07 02:55:09.0 テーマ:その他

最期についたウソ


   第3人類の長 ベルバルドに会いに
   ルゲンテモーゼの街に向かうメアリーたち

     なんで人間は忘れてしまうのだろう

クルーゼ「ルダ?」

ルダ「第2人類と第3人類は共に手を取り協力し
   戦うことができた。なのに今はお互い嫌いあってる」

ルダ「共に感じた喜びも幸せも、なんて儚い・・・」

     人間は忘れないと前に進めないからな

クルーゼ「人間は人生のすべてを覚えられるほど優秀ではない
     頭も心も想いも全部、覚えようとするとパンクする」

クルーゼ「次に進むためには何かを忘れないといけないのさ
     共に協力し共有した大切な想いも
     うっかりすると忘れてしまうものだ」

ルダ「私は、それは嫌だな」

クルーゼ「メアリーは幼少期、家族も友達も村民も
     皆殺しにあった経験を持つ」

ルダ「・・・そんな・・ひどいことが」

クルーゼ「でも、そんな悲しみや憎悪もさ
     時が過ぎゆく中で、その想いも
     薄くなっていく。忘れられるのも
     悪くはないんだぜ」

クルーゼ「ルダには話したっけ?
     俺が9歳の時に好きだった女の子のことを?」


回想

    俺は好きだった女の子がいた

    名前はサーシェ。かわいくて美人でね
    サーシェと恋人になれて朝から晩まで遊んだ

    だけどサーシェは、奇病にかかってしまい
    俺の国、ラグガイア王国の医術でも手の施しようもなかった

    弱っていくサーシェを、ただ、励ましてあげるしか
    できない己を呪っていた

    サーシェが亡くなる1日前のことだった


病室
  
クルーゼ「サーシェ!お願いだから僕を一人にしないで!!」

サーシェ「ごめんね・・私は、もう助からない・・だから・・・」

      私のこと・・忘れていいよ・・・

クルーゼ「なんで、そんなこと言うの?
     サーシェのこと忘れられるわけないじゃないか!」

サーシェ「知ってる?死者が生者にかけることができる
     不思議な魔法」

       私の死で、いつまでも悲しくて
       泣いてしまうクルーゼに
       いつまでも泣かなくても済むように
       悲しみを薄めることができるの・・・

クルーゼ「嫌だ!僕は覚えていたい!サーシェと一緒に
     ずっと仲良く遊んでいた日々を!!」

クルーゼ「悲しいことも苦しいことも全部、覚えていたい」

サーシェ「そうなったらクルーゼは・・・」

       いつまでも・・前に進めないから・・・

サーシェ「だからお願い・・私のこと忘れてね・・・」

          回想 終了


ルダ「不思議なことを言う女の子だな
   恋人に忘れてほしいなんて」

クルーゼ「俺も思ったよ。忘れられるわけがない
     一緒に遊んで一緒に喜んで想いも悲しみも共有して
     ずっと・・一緒に居たかった・・・」

クルーゼ「バカな女の子だなって大人になって思ったよ」

ルダ「バカな女?」

クルーゼ「死ぬ間際に、私のこと忘れてなんてさ・・・
     そんな、わけの、わからない不思議なこと
     言われたら・・逆に忘れられないよ・・・」

クルーゼ「でも俺が・・いつまでも泣かないように悲しまないように
     俺が、そこで止まらないで次に進めるように
     最期についた優しいウソなんじゃないかって・・・」

クルーゼ「今になって気付かされたわ・・・」

       私は、もう1つあると思う

クルーゼ「え?」

ルダ「女の子からの目線でわね」

クルーゼ「もう1つって他に何があるんだよ?」

ルダ「いつまでもクルーゼに忘れてほしくなかったのよ」

     いつまでも考えて悩んでしまうウソを言うことで
     ずっとサーシェの言ったことを忘れられないように
     願いをこめてついたウソだと思うよ

クルーゼ「・・・・・・・・・・・・・」

ルダ「女の子にとって忘れられるのが1番、怖いから
   そんなウソをクルーゼに言ったのよ」

クルーゼ「・・・あいつ・・とんだ女狐だこと」

ルダ「天寿を全うして天界に行くことがあれば
   サーシェに聞いてみなよ?真実をね」

クルーゼ「そうしてみるわ」

       最期についたウソ・・・か
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