バースミアク地方 昼
マーソン「僕はいったい・・・
いつから幻惑を見せられていたんだ・・・?
アキ「・・・・・・・・・」
マーソン「答えろアキ!?」
アキ「ラセック(マーソン)って そういうここと知りたい系?」
マーソン「それが原因でアキとの戦争に負けたんだ!
知りたいに決まってるだろ!?」
アキ「どこまで知りたい?」
マーソン「全部に決まってるだろ!?」
アキ「幻惑を見せられた君は かなりの挙動不審な
振る舞いをしていたのだが?」
マーソン「・・・・・・・・・・」
アキ「見てて恥ずかしい振る舞いや
あ!こいつ もうやばいなみたいな
と~っても と~っても悲しい
姿を晒していたのだが知りたいかラセック?」
マーソン「・・・悲しいところは省いてください」
アキ「OK あとから契約を飲むなら
そうしよう」
マーソン「・・・なんだ・・それは?」
アキ「話してる間にほしいもの考えるから
何か思いついたら言うね~♪」
マーソン「(・・・露骨に卑怯だ)]
説明をはじめたアキ
アキ「ラセックに魔法を仕込んだのは
夜襲で戦争になった 2日前だ ラセックが」
ある1点を見つめるように
空を仰ぎマーソンは言葉を発した
アキ「夜襲のとき俺とクルーゼがラセックとサーシェに
対峙したときラセックは空を仰いだ」
アキ「だが、お前が見つめてたのは空ではない
空のロダリアの”眼光”を見つめていた」
マーソン「なにを仕込んだんだ?」
アキ「幻惑の種というところか
それをバースミアクの戦争が始まる瞬間
その種を芽吹かせラセックに幻惑を見せた」
マーソン「・・・総司令官がおかしくなれば
軍などもろいものだよな」
アキ「お前の親父の言葉だよ」
軍とは兵士の想いを束ね導かなければならない
それができない軍は ただ崩壊するのみ
アキ「まあ永遠の力 ヴァリアスオーブが干上がる
1歩手前まで魔力を使ったからな
もう幻惑の手段は使えないけどな」
マーソン「それほどの力・・なぜ僕に使った?
サージェンやルガート様に使ったほうが
より効率的だったろうに・・・?」
アキ「サージェンは非情さを徹底している
心を攻めても通じないだろう」
アキ「ルガートはフェルク騎士団の想いを背負っているからな
なにより あいつの その想いは強い
幻惑をもってしても通じるか どうか」
マーソン「僕だと幻惑が入ると判断したわけか
なめられたものだな・・・」
アキ「そりゃあ そうさ」
まだアズベスのことを”お兄ちゃん”と
呼んでるお前なら まだ解放できると思ったんだよ
マーソン「解放?何からの解放だ??」
アキ「”理想なる世界” その しがらみからの解放」
アキ「理想なる世界とルガートは言うけど
すべてのフェルク騎士団を
連れて行くことはできない」
アキ「だが本当なら そこには
みんなでたどり着かないとならない場所
マーソン「・・・・・・」
アキ「同胞の誰かの屍を踏み台にしてまで
その場所に行きたいかラセック?」
マーソン「・・・・・・・・・いや」
アキ「誰だって そこには たどり着きたいさ
だからフェルク騎士団は臆病になった
その場所に たどりつきたくて
死ぬのが怖くなった
そのことがフェルク騎士団を弱くした」
アキ「なあラセック?お前たちは本当に
理想なる世界が欲しいのか?」
マーソン「・・・・・・・・・・・・」
アキ「俺は別に自分が主役でなくても
世界を平和にし続ける
有能な人物が居れば そいつに任せたい」
アキ「ただ、それだけで世界は良い方向に変わるものさ」
アキ「たくさんの同胞が死ぬ可能性の高い理想なる世界など
俺がフェルク騎士団だったら真っ向から否定するさ」
アキ「幻惑の中とは言えラセックは見たのだろ?
死んでいく仲間たちの姿を?」
マーソン「・・・・・・ああ」
アキ「説明は これでおわりだ」
アキ「ではでは~後から契約の俺の欲しいものを言うね~♪」
マーソン「・・・はっきり言っておくが
言えないこともあるからな?」
アキ「無茶な要求はしないよ」
俺がほしいのわね・・・