神殿内部
メアリー「(ぶっ殺しに行く!そんな!
アキは例え敵でさえも可能なら命を奪いたくない人
なのに こんなに露わに殺すだなんて!)」
何を言ってるのかわかっているのかアキ!?
アキ「え!?」
ディアは拳を握りしめ力強くアキを殴った!
その勢いで倒れるアキ
アキ「どういうことだディア?」
ディア「アキっていう人間わな!」
ディア「命の大切さを命の尊さを誰よりも知り
戦うことが嫌いな優しい人間だろ!?」
アキ「・・・」
ディアの視線に目をそらすアキ
ディア「答えろ!いつから戦うことを急ぐようになった!
いつから人を殺すなど言うようになった!?」
アキ「だって!
そうしなきゃ みんな死んじゃうんだろ!?
ディア
メアリー「・・・・」
言葉を失う二人
マイ「アキ?それはありません
作者は創ることはできても
創った者を どうこうすることはできません
作者は創った人間にルガスタを与え
それが どう生きるかを見ていたい傍観者にすぎません」
マイ「私たちは作者がルガスタに変化を求め
干渉した その時でなければ戦いは挑めません
その時が来たら間違いなく それを伝えます
今は そういう危機があると知っていてください」
日が暮れて夜 神殿を出てきたアキたち
ショックを受けたのか うなだれながら足早に歩く
メアリー「アキ!?」
ディア「よせメアリー?今のアキに何を言っても伝わらん」
メアリー「でも!」
ディア「アキは だいじょうぶだ
それよりも話がある」
グレンハム王国に着いたディアとメアリー
酒場でノンアルコールカクテルを注文し
ディアは口を開く
ディア「もうアキを なぐさめるのは やめてほしい」
メアリー「知ってたの?」
ディア「ルナフェクトの分け身だからな私は」
ディア「メアリーの言葉で どれだけアキが救われたか
だがアキは もう一人でも立ち上がれなければ」
メアリー「なぐさめられないと立ち上がれないではダメってこと?」
ディア「アキは強いようで弱い 特に精神がもろい
運命が戦うことを求めなければアキは
戦場とは無縁の人間だ」
メアリー「それは お断りするわ」
ディア「それではアキは」
メアリー「私がアキを なぐさめるのわね
人が人を想い合える心を持っているから
ディア「・・・」
メアリー「マイさんは それが世界に浸透してほしいのでしょう?
人は弱い生き物よ 一人では生きられない
誰かを想い合って助けられたりして
なんとか地に足をつけ立っている」
メアリー「その想い合える人間の優しさを否定したら
人間の本質その物を否定することになる」
ディア「そうだが」
メアリー「想い合える人の心を信じたい
それが広まっていけば人は次の進化へと進める」
ディア「強いなメアリー?
ショックではなかったのか?お前も
作者に創られた存在だということを?
メアリー「私は都合の悪いことは忘れるようにしているの」
ディア「アキにも それができればな」
メアリー「アキは今のままでいいと思う
なんでも受け止めて悩んで落ち込んだりして
でも そうやって
すべてを受け止めて生きていける人間だから
ディア「・・・」
メアリー「すべてを受けとめるから誰かが支えなきゃでしょ?」
ディア「それがメアリーだと?」
メアリー「そういうこと」
ディア「アキが背負ってる物は重いぞ?それでも?」
メアリー「・・・・
なにを今更って感じよ
メアリー「アキの生きる最期の その時まで
全力でアキを支えてあげるわ
メアリー(たとえ・・アキが私を見てなくても・・・)」
小声で そう つぶやいたメアリーを
ディアは聞こえていた
ディア「・・・・
ディア「アキにはメアリーという最高の仲間が居たのだな
何も心配することはなかったか?」
メアリー「あら?ディアにも なんらかの形で支えてほしいわ」
ディア「そのつもりだ ラムスクロウの世界から
アキを引っ張り出してしまった
償っても償え切れない想いがある」
帰ろうとするディア
メアリー「ディア?」
ディア「最期の その時までアキを支えてやってくれ」