まいったな 万策尽きた
それは演技ではなくて?
グレンハム王国 王宮庭園 夜明け前
フェルク騎士団がクルーゼとルダを
囲むように展開する!!
クルーゼ「演技なら よかったんだがな
なぜ ここに居る?
ルダ「何がだ?」
クルーゼ「俺は力を使い果たし動けないが
ルダはダメージがない
お前だけでも逃げろ!?」
ルダ「・・・
愛する人がいなくなった世界で
それでも生きろだと?
クルーゼ「・・・ルダ?」
ルダ「それは残酷だよ
その悲しみをガティレイアなら知ってるだろ?」
クルーゼ「・・・」
ガティレイア?お前のいない世界は考えられない
全部の世界で お前がいないとダメなんだ
お前のいない世界で それでも生きろと?
クルーゼ「・・・ルダ」
ルダ「だから最期は お前の温もりが感じられる
お前のそばで生を終えるさ」
そっとクルーゼを抱きしめたルダ
クルーゼ「・・・
温かいなルダ
そうだな 温かいなガティレイア
クルーゼ「ごめんな 俺たちのこと悲しい結末にして」
ルダ「それでも お前に会えた それだけで
幸せだったよ
フェルク騎士団が迫って来る!!
クルーゼ「すばらしい人生だった」
ルダ「私もだ」
死んでもらったら困るんだけどな
クルーゼ「誰かの声?」
仲間を失う悲しみを
俺はクルーゼから教えてもらった
そして俺は もう失いたくないと感じた
ルダ「月色の・・輝き・・・」
だからさ・・・
もう失わせないでくれよ?
月色の輝きが王宮庭園に広がる
サージェン「なんだ 月色の輝き??」
ラセック「俺たちは いったい??」
フェルク「お前は!ことごとく私の邪魔をするか!?
アキ・ルナフェクト!!
フェルク騎士団が正気に戻った
フェルク騎士団「俺達は なにを?」
フェルク「私のフェルク騎士団の洗脳が消えただと!?」
相変わらず お前は嫌な野郎だよ
フェルク・ザン・ゼネス
クルーゼ「奇跡の英雄
アキ・ルナフェクトか
アキ「ずいぶん無理をさせたな ごめんなクルーゼ ルダ?」
クルーゼ「ずいぶん無理した気しかしない」
ルダ「駆け付けてくれたかアキ」
アキ「アムルとラドゥムに救出されてな
それもクルーゼが してくれたことなんだろ?」
メアリー「大きな借りができたね みんなに」
クルーゼ「そう思ってくれるなら いつか返してもらおうか」
フェルク「アキ!貴様あああ!」
力を使い果たし座り込んでるフェルクに
アキはフェルクの眉間に剣先を向ける
アキ「チェックメイトだ」
フェルク「お前に・・人を殺せるのか・・・?」
アキ「それはできないな」
クルーゼ「・・・おい?」
アキ「できないから」
アキから発する月色の輝きがフェルクをつつむ
フェルク「貴様あああ!」
アキ「・・・
これが奇跡さ 君にとっては悪夢かもしれないけどね
メアリー「・・・それ・・言わないと気が済まないの?」
アキ「いちおう 決めセリフだし」
フェルクがラフィスの中に封印され
ラフィスは正気を取り戻した
ラフィス「・・・どうやら・・またか」
アキ「またか じゃねえよ!
フェルクを制御するって言ってたよな?
まったくできてねえし!?」
クルーゼ「そのせいで・・散々な目にあったのか」
メアリー「大丈夫よクルーゼ?今回の騒動を鎮圧した功績で
二階級昇進くらいもらえるわよ」
ラフィス「・・・え」
クルーゼ「三階級くらい昇進しないと割りに合わないな・・・」
アキ「クルーゼ?それ名誉の戦死 扱いなら可能かも」
クルーゼ「勝手に殺すな!?」
にしても 面白い見世物だったよ
アキ「なに?」
王宮庭園の窓から
フェルク騎士団の恰好で語る者
???「まさかクルーゼが
ここまでの役者とは うれしい誤算だね
クルーゼ「・・・誰だ てめえ?」
???「・・・
変化を促した者さ