ミナイシュ「今日ラフィと会った時
ラフィの眼を見たの」
グレンハム王国 帰り道 夜
ミナイシュ「なんて悲しい眼をしてるんだろ・・・
そう思ってしまう悲しい眼・・・」
ラフィス「・・・」
ミナイシュ「ラフィは 何と孤独で戦ってるの?」
ラフィス「・・・」
ラフィス「少し 話をしましょうか」
ミナイシュ「話?」
ラフィス「私には家族がいません」
ミナイシュ「・・・」
ラフィス「”父親のような者”は
子供の記憶をいじるような最低な人間です」
ラフィス「エンド・ワールド時代の
グレンハム国王になりたくなくて
私は成人もしてないのに
私に王位を押し付けて隠居しました」
ラフィス「”兄のような者”もいますが
本当の名前を知りません」
ラフィス「この世界を救うために動いていると
聞きましたが
それだけでは私の孤独を埋めてくれません」
ラフィス「私が孤独で戦っているのは この世界を救うため
私は世界のトップ グレンハム王国の国王
失敗は許されません
私が失敗すれば世界は滅ぶのです」
ラフィス「この世界を・・ルガスタと言う世界は・・・
終焉を迎えるのです・・・
ミナイシュ「・・・」
ラフィス「父も兄もいない私には家族がいません
世界の王として戦うのであれば
王族として悲しい運命の王であるのなら
共に戦ってくれる血を分けた
家族が支えてほしかった」
ラフィス「父のような者と兄のような者では
私の孤独は埋められません」
ラフィス「だから私は」
ミナイシュ「孤独だと言いたいの?」
ラフィス「・・・はい」
ミナイシュ「・・・
本当 失礼な話だよねラフィ?
ラフィス「・・・え・・うわ!」
ミナイシュに両手で頭をつかまれたラフィス
ラフィス「・・・な・・なにを?」
ミナイシュ「・・・私の眼を見なさい?」
ラフィス「・・・え?」
ミナイシュ「いいから私の眼を見なさい?」
ラフィスの眼を直視するミナイシュ
ラフィス「・・・ね・・姉さん?」
ミナイシュ「・・・
私が居るじゃない?
ラフィス「・・・」
ミナイシュ「やっとね 記憶が戻ってきて
こうしてラフィと弟と話してるのに
”私には家族はいません”は
失礼じゃないのかねラフィちゃん?」
ラフィス「・・・ラ・・ラフィちゃん?」
ミナイシュ「私も一緒に戦うよ
ずっと傍には居られないけど
あなたの事を想ってるよ
それだけではダメ?
ラフィス「・・・」
ミナイシュ「それとも私も”姉さんみたいな者”なのかな?」
ラフィス「ちがいます!姉さんは!・・ミナイシュ姉さんは
僕の孤独を埋めてくれる 姉さんです!
ミナイシュ「・・・」
ラフィス「・・・」
ミナイシュ「うん よろしい」
ラフィス「・・・え?」
ミナイシュ「もう
孤独(ひとり)ではないでしょ?
ラフィス「・・・」
ミナイシュ「私が居るんだから
勝手に孤独になってもらっては困るなラフィ君?
ラフィス「ですよね」
ミナイシュ「もう 孤独ではないよね?」
ラフィス「・・・」
ミナイシュ「答えなさいラフィ君?」
ラフィス「・・・はい
もう 孤独ではありません
笑顔でミナイシュは
ミナイシュ「それだけは忘れないでね?」
ラフィス「・・・はい」
急に泣き出したラフィス
ミナイシュ「え!なんで泣いてるのラフィ!?
そんなに お姉ちゃんが怖かったの!?」
ラフィス「・・・いえ・・初めて
・・・孤独ではないと思えたから
ラフィス「・・・うれしくて」
ラフィスを抱きしめたミナイシュ
ラフィス「・・・あ」
ミナイシュ「うん ラフィにはミナイシュお姉ちゃんが居るからね?」
孤独って なんだったんだろう?
それは永遠の味わうことのできない
境地だと思ってた
でも 今は その境地に居る
ラフィス「・・・やっと
孤独と サヨナラができたよ