レニィアーゼの冒険日誌

　　　　　多くの想いを背負わされ

　　　　　悲しみと戦わされているのなら

　　　　　すべてを否定して運命すらも変えてしまえ



グレンハム王国　郊外

ガティ「俺と一緒に来るか？アキ・ベリング？」

メアリー「アキに何を！？」




　　　　　　　　　　来るな！





メアリー「アキ！？」

アキ「来るなメアリー」

アズベス「共に行くのか！？」

アキ「ガティレイア？



　　　　　　　　想いが　うっとうしいのか？



ガティ「なぜ　それを聞く？」

アキ「世界の　すべての想い
　　　背負うには重すぎる　でも



　　　　　　想いが温かい事を俺は知っている



ガティ「・・・」

アキ「俺は温かい想いに救われたことがある
　　　その温かさをくれた　その人に応えたい
　


　　　　　　　想いが温かい事を知らないのか？



ガティ「・・・」

ガティ「想いが温かいか　本当に



　　　　　　すべての想いが温かいと思っているのか？



アキ「なに？」



　　　　　　きゃあああ！


　　　　　　うああああ！




アキ「メアリー！アズベス！？」


　　　　　　赤色のオーラ

　　　　　　そのオーラが二人の体に入っていく




アキ「なぜ二人に”ベリング”を使った！・



　　　　　　　　　　ジアスタ！？



ジアスタ「このベリングが完成すれば
　　　　　並みの訓練生も最強の兵士になる！
　　　　　そうすれば私は　すべてを巻き返し
　　　　　グレンハム王国を掌握し
　　　　　世界を手に入れる！！」

アキ「ベリングが危険な物だと！？」

ジアスタ「わかっているさ！
　　　　　だが研究しないと完成しないだろ！？」

アキ「お前！？」

メアリー「うううう！」

アズベス「ぐああ！」

ガティ「もう一度　聞く　アキ・ベリング？



　　　　　　　本当に　すべての想いが


　　　　　　　温かいと思っているのか？




ガティ「己の欲のまま生きる人間も居る
　　　　叶えたい願いなら誰が犠牲になってもいい」

ガティ「禍々しく汚い想いも人にはある
　　　　それを知らないで想いは温かいだと？
　　　　君は　どれだけ　きれいな世界で生きてたんだ？」

アキ「・・・く」

ジアスタ「アキ・ベリング！？
　　　　　第３人類の総司令官を斬れ！
　　　　　そうすれば
　　　　　ベリングの魔法を解いてやる！？」

アキ「貴様！？」

ガティ「君は仲間を救いたいのかアキ？なら



　　　　　　　　斬られてやるよ



ルダ「ガティ！？」

ベアヌ「正気か！？」


　　　　　　　ガティは剣を地に捨て

　　　　　　　両手を外に広げて無防備に


ガティ「俺を斬れば　その二人は救われるんだろ？
　　　　なら俺を斬ればいい」

アキ「それでいいのか！？」

ガティ「人を斬るのが怖いのか？」

アキ「く・・・」


　　　　　　アキ！刀を構えガティに接近！


ベアヌ「（見事な誘いの罠だ
　　　　　アキは斬られるだろう）」

ルダ「（にしても無防備すぎる
　　　　今の構えから攻撃に転じるには
　　　　難しい体勢だ）」


　　　　　　アキ！上段からガティに刀を！



ガティ「・・・



　　　　　　（これでいい　もう疲れたよ

　　　　　　　　すべてを終わりにしよう

　　　　　　　　なんで　こんな生き方しか

　　　　　　　　できなかったんだ）


ルダ「！！！！」

　　　　　　　　
　　　　　　　　（死へと逃げよう　そうすれば

　　　　　　　　　もう苦しむことも

　　　　　　　　　大量虐殺の英雄にもならないで済む）



アキ「うおおお！」


　　　　　　　　　アキ！刀を振り落とした！

　　
　　　　　　　　　眼をつむっていたガティ


ガティ「（なんで痛くないんだ？
　　　　　そうか　即死ってやつか）」


　　　　　　　　眼を開いたガティ



ガティ「・・・なにを・・やっているんだよお！？



　　　　　　　　　ルダあああ！？



ルダ「・・・」



　　　　　　　　ガティの身代わりになるように

　　　　　　　　ルダは己の体を盾にすることで

　　　　　　　　ガティレイアを守った



ガティ「ルダあああ！？」

ルダ「・・・



　　　　　ねえ？ガティレイア？生きてる？？


　　　　　　　　振り向きガティレイアに微笑むルダ




ガティ「あぁ・・生きてるよルダ・・・！？」

ルダ「そう



　　　　　　　　　よかった



？？？の場所

シウス「ガティレイアは
　　　　こんなことすら気づいてなかったか



　　　　　　　命は自分だけのものではないのにね