レニィアーゼの冒険日誌

　　　　　　　　　　不思議な女神の一族は

　　　　　　　　　　人工的に”世界”を創ることに成功していた


人工的世界

アキ「太陽が照り付ける　水も空気も
　　　草木も海も動物たちも居る」

アキ「本当に　ここは世界なんだな
　　　まるで俺たちの住むルガスタそのものだ」


　　　　　　　”ラストアース”


ミカ「この世界を　そう名付けたの」

アキ「最後の大地か」

ミカ「４６億年もの時間
　　　私たちは度重なるエンド・ワールドと
　　　作者の支配に怯えてきた」

ミカ「だから　もう　そんなことが起きないよう
　　　私たち不思議な女神の一族は
　　　作者の支配から逃れるため
　　　人工的な世界ラストアースを創った」

ミカ「わかるでしょ？人間が　どれほど足掻いても
　　　作者のペンで　すべてが奪われていく
　　　私たちは作者の支配を受け付けない
　　　ラストアースに逃げるしかない」

アキ「ルガスタに生きる７０憶の人の命は？」

ミカ「・・・ラストアースに入れるのは・・・１万人が限界」

アキ「ルガスタに生きる者は見捨てるのか？」

ミカ「もう・・彼らは死を選んでる・・・」

アキ「なぜ？」

ミカ「救っても救っても人は繰り返す
　　　自分には無関係だ　他人事だと言い
　　　自分に災厄がかかってから
　　　人は本当に後悔する」

アキ「それが何億年もエンド・ワールドから
　　　人を救ってた者の答えか？」

ミカ「人間なんてバカでしょ！
　　　取り返しのつかない境地に立たないと
　　　本当に学ばない
　　　そうなってからでは遅いのに
　　　ぜんぶ他人事だと思って後悔してきた！」

ミカ「人間なんて救う価値はあるの！？」

アキ「ミカ　俺も人間だ？」

ミカ「あなたは　ただの人間ではない
　　　だって戦ってきたもの　多くの命を守るために」

ミカ「なんで戦うの！？
　　　そんな愚か者たちのために　なんで！？」

アキ「俺が戦わないと


　　　　　　　みんな死んじゃうから


ミカ「そんな救われない人間たちのために
　　　なんで自分の命をかけられるのよ！？」

アキ「きっと　俺にとって　
　　　それは他人事ではないんだろうな」

ミカ「・・・なんで・・誰かのために
　　　必死になれるの？」

アキ「・・・」

ミカ「私たちと一緒にラストアースに逃げましょう？
　　　そうしたら　すべての悲しみは消滅する」

ミカ「私たちの世界　私たちの平和
　　　もう何も恐れる物などない」

アキ「じゃあメアリーは　どうなるんだ？
　　　アズベスは？クルーゼは？
　　　ルダにラフィスだって？」

ミカ「・・・


　　　　　・・・ぜんぶ・・忘れた方が良い


アキ「・・・」


　　　　　　君の失敗は世界の滅亡だ

　　　　　　お前は本当は逃げたがっている


アキ「・・・そうかもしれない」

ミカ「アキ？」

アキ「・・・


　　　　　　　私は逃げ出して失った愚か者です

　　　　　　　そして失った者は帰ってこない


回想

メアリー「だいじょうぶ　だいじょうぶだからね」

　　　　　　　
　　　　　　　泣きじゃくるアキを抱きしめるメアリー


アズベス「少しは気楽に生きようぜ？
　　　　　難しく考えすぎなんだよ？」

クルーゼ「ひとりで背負わせないからな
　　　　　みんなが居る　そうだろ？」

ルダ「それって幸せって言うんだよアキ？」

ラフィス「ありがとう
　　　　　お前が居てくれたから私は生きて居られた」


　　　　　　　　　回想　終了


　　　　　　友との想いを思い出すアキ


アキ「ミカ？俺って　とても欲深いこと知ってるか？」

アキ「ぜんぶ救いたいんだよ　７０憶の命すべて」

アキ「俺は何も失いたくない」

ミカ「結局・・自分を捨てて・・・
　　　誰かのために戦うんだねアキ・・・」

アキ「ごめんな」

ミカ「う～うん
　　　きっと　そんなアキだから私は好きになったのだと思う」

ミカ「だったら私も戦う　あなたを死なせない」

アキ「俺もミカを守る


　　　　　　　そして世界も