すべてを守ると誓った もう失わないために
ザファイドアーク北東部
ハースの攻撃を受け
両膝をつき苦しむバードレ
テールス「ハースが負けるわけがない
奇跡の英雄に匹敵する想いを持っている」
ハース「おわりだ バードレ?」
バードレ「・・・勝ったつもりか?
所詮 私は一人目だ
ハース「なに!?」
バードレが”引っ込み”
アズベスの意識が戻った
アズベス「・・・なるほどね」
ハース「・・・まさか
バードレ「(私は戦闘不能だが
アズベスに さほどダメージはない」
バードレ「(疲弊している貴様とアズベスが戦えば
勝敗は火を見るより明らかだ)」
アズベス「そういうことらしい
ハースネン・ハーネット?」
バードレ「(もう一度 言わせてもらおう
守れるのか それで?)」
ハース「(バードレとの戦いで力を使いすぎた
だが
それが どうした?
ハース「このような苛烈な戦いも想定している
生半可な想いで戦場に立ってるわけではない」
バードレ「(私には強がりにしか聞こえないぞ?)」
ハース「(ここでアズベスまで相手をするのは
さすがに・・だが)」
正解に近い行動を促してくれる奴が
計算を見誤るとわな
ハース「アズベス?」
アズベス「バードレ?
人の想いは計算に入れてなかったのか?」
バードレ「(人の想いだと?)」
アズベス「ハースネン?
休戦しよう?
バードレ「(何を言っている貴様!?)」
ハース「戦闘を続ければいいだろ?
圧倒的に有利なのはアズベスの方だ」
アズベス「リリィは・・いや ルデアは
自分の意思で この戦争を戦っている
ファースト・エタシュに
たぶらかされたわけではない」
ハース「・・・」
アズベス「言ってたな?
すべてを守るために戦っている
もう失わないためにと?」
アズベス「その想いはルデアも同じだ」
アズベス「だったら俺たちが戦うのは無意味だ」
テールス「ハース? ここは退け」
ハース「テールス?」
テールス「(アズベスの思惑は何であれ
今は身体を回復させるべきだ)」
ハース「・・・」
ハース「アズベス 今は退こう
だが後日 ルデアに会わせてくれ
今のルデアの想いが知りたい」
そう言いハースネン率いる
テルモア国は退いて行った
バードレ「(なぜ討てる時に討たなかった!?)」
アズベス「ハースネンは敵ではない
休んでたら どうだバードレ?」
バードレ「(貴様の意思が私を裏切る物なら
最終手段をとらせてもらうぞ?)」
アズベス「・・・好きにしろ?」
”引っ込んだ”バードレ
リムル「大丈夫なのかアズベス?」
アズベス「バードレとハースの戦いを
”体験”した
俺は もっと強くなれる」
リムル「・・・聞きたいこと
そこじゃないんだけど?」
アズベス「だが もし俺がバードレに乗っ取られ
みんなに仇成す者になったら
・・・俺を殺してくれ
リムル「・・・」
リムル「なんで・・・
私が お前を殺さなきゃいけない・・・」
アムル「え」
リムルに殴られ倒れるアズベス
アズベス「なんで?」
リムル「・・・なんで笑顔で そんなこと言える?
殺す方も つらいんだよ!?