食器やグラスが音を立てて割れ
テーブルも衝撃で壊れる
他の客は悲鳴を上げ
クルーゼが怒声を浴びせると
恐怖で静かになった・・・
パスタ店 アラーモ 夜
クルーゼは左手でアキの胸ぐらを持ち上げ
右手には力を込めて握った拳
クルーゼの鬼気迫る表情
なぜ? どうして?
クルーゼ「・・・」
アキ「・・・クルーゼ?」
クルーゼ「答えろ!アキ・ルナフェクト!?」
ゲジジェ・ハルスタンは
お前が殺したのか!?」
アキ「・・・」
クルーゼ「答えろ!お前が殺したのか!?」
メアリー「クルーゼ!どうしたのよ!?」
クルーゼ「アキに聞いている!?」
メアリー「・・・クルーゼ」
アキ「・・・」
アキ「・・・俺は・・殺していない」
クルーゼ「事実なんだな?」
アキ「だが 死んだとしたら
・・・俺が殺したようなものだ
アキを殴り地面に叩きつけた
その仕打ちからクルーゼの怒りを感じる
クルーゼ「・・・言っただろ?
ゲジジェとセネアは
・・・見逃してくれと
そう言い残しクルーゼは店から出て駆けだした
メアリー「行ってあげてルダ!?」
ルダ「すまない!」
追いかけるルダ
左ほおに痛みを感じて
倒れたまま呆然としてる
アキ「・・・俺は
・・・間違っていたのか?
高台 夜
ルダ「クルーゼ!?」
その愛しい人の声で
ようやく立ち止まった
クルーゼ「俺が おかしいのは わかってるよ!
ゲジジェもセネアも武器を持ち戦場に出た!
そうなれば討たれることもあるって
わかってたさ!」
叫ぶクルーゼ
クルーゼ「・・・なんでゲジジェを討ったのが
討ったのがアキなんだよ!」
その先に出る言葉もなく
うなだれるクルーゼ
クルーゼ「アキは例え敵でも殺さずに敵を制してきた!
だが なぜ あいつは殺すことを選んだ!?」
パスタ店 アラーモ
アキ「・・・不殺を貫くのは もう ごめんだ」
アキ「・・・俺が・・そうしたから」
メアリー「・・・アキ」
アキの顔を抱きしめて
アキの右ほおにメアリーの頬を当てる
メアリー「傷ついていたんだね・・・
ルナフェクトに選ばれなければ
いえ
ラムスクロウから誘拐されなければ
アキは・・・
アキのままで居られたのにね
メアリー「・・・
・・・現実って・・優しくないね
高台 夜
クルーゼ「どうすればいい・・・」
クルーゼ「アキと和解できても どうしても
この男がゲジジェを殺したって
その記憶が ちらついて・・・」
クルーゼ「・・・どうすればいい」
答えが見つからない
いや 答えなんてあるのだろうか
クルーゼ「・・・理屈ではないんだよ
もう戻れないかもしれない」
ゼルファダイに行け
クルーゼ「・・・」
クルーゼ「・・・セクト様に会いに行けと?」
ルダ「あぁ」
クルーゼ「俺にアキたちを裏切れと?」
ルダ「私も行ってやる」
クルーゼ「・・・ルダ」
ルダ「言っただろ?
お前の居ない世界なんかに興味はないんだ
独りにはさせないから