・・・なんで こうなった
セクト宅 深夜
セクトがベッドで寝息をたてている
布団に くるまうクルーゼ
クルーゼ「・・・
きれいな女の人と同じ寝室・・・
クルーゼ「・・・
人生なにが起きるか わからない
クルーゼは12時間前は
フェルク騎士団に殺されかけていた
それが今は”こんな状態”
クルーゼ「・・・
・・・これって誘われてる!?
寝息をたてているセクト
クルーゼは立ち上がりセクトの側に
穏やかな表情のセクト
クルーゼ「・・・
セクトの胸に手を伸ばすクルーゼ
クルーゼ「・・・
・・・やめよう
クルーゼ「(俺は この人に命を救われてるんだ
・・・こんなこと)」
クルーゼ「!!!!」
クルーゼの喉に・・刀の刃・・・
セクト「・・・」
クルーゼ「・・・え」
黙ってるセクト
クルーゼ「(・・・俺って・・逆鱗に触れた!?)」
なんだ クルーゼか
クルーゼ「すみませんでした!」
と言うクルーゼの言葉と重なるよう
セクトも「すまない」と言う
クルーゼ「・・・え?」
セクト「男と女が同じ寝室に居たら
勘違いしてしまうな」
クルーゼには何を言ってるか
理解できない
むしろ自分の方が間違っていて
謝罪する立場と思っている
セクト「その幼さが残る風貌に
つい 警戒が解けてしまった」
「そうなんですか?」と口にしたかったが
いまだに喉元に刃が・・・
クルーゼ「・・・あの」
刀をサヤに収めた
セクト「私は他の部屋で寝る
明日は速いから夜更かしするなよ?」
部屋を出て行った
クルーゼ「・・・」
クルーゼ「・・今日は
・・・二回も殺されかけたな
クルーゼ「・・・ていうか
・・・毎晩 刀を側に置いて
寝てるのかよ
クルーゼ「明日 早いって
俺 なにかするのかな?」
翌朝
食欲をそそる匂いがして
目を覚ましたセクト 台所に行く
セクト「クルーゼ?」
クルーゼ「世話になっているので 朝ごはんくらい
作ろうかと思いまして
すみません 勝手に食材いじってしまって」
シャケの焼き魚に野菜たっぷりのサラダ
わかめと豆腐の味噌汁に
冷ややっこに ご飯
セクト「クルーゼが作ったのか?」
クルーゼ「勝手なことして すみません」
セクト「いや なつかしくてな
私は いつも作る側だったからな
誰かが作ってくれた料理を食べるのが
なつかしい
クルーゼ「俺も なつかしいです
誰かのために料理を作ったことが」
料理を食べるセクト
セクト「おいしいな」
クルーゼ「まずいと言われたら
どうしようと考えてました」
セクト「こんなに おいしいものが
まずいなんて言えるわけがない」
クルーゼ「今日 俺も何かするのですか?」
セクト「私の仕事場に来てほしい
そこで お前に何かお願いするかもな」
一緒に朝食を食べるクルーゼ
クルーゼ「お願いですか?」
セクト「来れば わかる
身支度を済ませたら出かけるぞ?」
クルーゼ「・・・それがですね」
セクト「・・・なんでだろう いま気づいた」
昨日も着てたセクトの
ワンピースを まとってるクルーゼ
セクト「何があった?」
クルーゼ「・・・
・・・洗濯したでしょ 俺の服?
セクト「・・・え」
クルーゼ「・・・あれしか服がなかったんですよ」
セクト「・・・代えの服や下着は?」
クルーゼ「昨日の”あの服”しかないです」
セクト「・・・」
右手を頭に当て悩んでしまったセクト
セクト「確かに”服を買ってきてくれ”とは言ったが
・・・」
セクト「・・・ゲジジェに
・・・任せるべきではなかったな