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思い出の星巡り

レニィアーゼ

[レニィアーゼ]

キャラID
: ME080-280
種 族
: 人間
性 別
: 男
職 業
: 僧侶
レベル
: 133

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レニィアーゼの冒険日誌

2024-08-11 21:33:45.0 2024-08-11 21:38:27.0テーマ:その他

精神障害者がプレイするドラクエ10 8


ねえ?ヴュアは
どんな顔をしているの?


マイタウン


「ブサイクですよ」
「え?」
「それでもって
 ハゲていて歯も無くて
 毛深くて短足でデブですよ」
「真面目に答えて!?」
「リアルの人間なんかに
 期待するものじゃないって
 どうせ美化されてるんだろ?」


少し何かを考えて
思い付くチェル


「簡単なことだった!
 会ってみればいいじゃん!」
「え?」
「話を聞く限りさ
 私たち近場に住んでるじゃない?」
「オフ会ってやつか」
「ねえ?会おうよ??」
「・・・え~」


そんな事した経験 一度もない
精神障害者がゆえに
人と関わろうとしなかった
でもチェルも精神障害者だ
同じ精神障害者同士なら
会ってみてもいいかもしれない


「すごく楽しみにしている!」
「リアルで僕に会って
 幻滅しないようにな」
「そんな事しないもん!」


次の日の16時に会う事にした
人と遊ぶには遅すぎる?

精神障害者のために睡眠薬の
つらさが切れるまで
そのくらいかかってしまう
だから この時間を選んだ

土日でも祝日でもない
みんなが働いているであろう平日

どうせ僕らは働く事も
学校に行く事もできない
どんな時間
どんな日に会っても構わないだろう?

父が美容師と言うことで
髪のセットやヒゲを剃ったり
ありとあらゆる身だしなみを
徹底された

精神障害者の僕にとって
その作業は
もしかしたら倒れるかもしれない
重労働だったが
父が手伝って助けてくれた

「女の子に会うんだってな?
 そんな子が お前にもできたか」
「そんなんじゃないよ
 相手は子供だよ」
「じゃあ ちゃんと
 楽しませてあげるんだぞ?
 身体は きつくないか?
 つきそうか?」
「要らないよ
 ちょっと会うだけだ」


とある街の駅入り口 15時30分

早く着き過ぎてしまった
人生の中で1番って言ってもいいほど
身だしなみと おしゃれを徹底した
準備に3時間もかかった
ここまでする必要ないのに
父の こだわりには困ったものだ

約束の時間が近づいてくる

チェルは
どんな子供だろう?
まあ
ややこしくて明るくて
それはドラクエ10でも
わかるんだが

約束の時間 10分前

人だかりの中
ヴュアは ある1点を
じっと見つめていた
そうしようとしたわけじゃない
気づいたら そうなっていた

きっと頭の中は無の境地
何も考えていない
いや
考えられていないのだろう

そんなことしていて
わずかとは言え
何分 そうしていただろうか?
さすがに心配になって
声をかけてきた

「あの?聞いてますか??」

それでも1点を見つめているヴュア

「聞いてますか!?」

さすがの大声に我に返った
目の前の少女が聞いてくる

「貴方が
 ブサイクでハゲていて
 歯も無くて毛深くて
 短足でデブな
 ヴュアさんですか?」

危うく
また1点を見つめそうになった

「・・・チェルなのか?」
「言ってる事と真逆なんじゃない?
 イケメンで髪は決まってて
 歯並びも良くて
 足も細く長くて
 身体は引き締まっているのに?」
「・・・」

そうだよ
僕たちがドラクエ10で
出逢ってから
何年経ったと思ってるんだ?
チェルは16歳の女の子になっていた

つい
みとれてしまうほどの
美少女に

「びっくりした
 そんな美少女だったなんて
 つい みとれてしまったよ」
「え?私って美少女だったの!?」

・・・どうやら自覚は無いらしい

「ヴュアだって
 とんでもないイケメンで
 スタイルも良いけど?」
「え?僕ってイケメンだったのか?」

・・・どうやら
こちらも自覚が無いらしい

そうだよ
精神障害者として
社会生活も学校も行けなくて
人と関わって来れなかった

自分の容姿を人と比較できる
相手が居なかった

こんな感覚になっても
しかたがない

こうして僕たちは
リアルで出逢った

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