チェルが明日 精神科の受診日だと言う
倒れられても困るので
僕も付き添って一緒に病院に
行くことにした
病院
チェルの担当医を受診するのは
チェル 一人だけだった
まったく待つこともなく
すぐ診察になった
15分くらいかかるか?
スマホを出して時間を潰そうとしたが
わずか2分でチェルの診察が終わった
さすがに おかしいと思った僕は
チェルの担当医の診察室に
チェルと勝手に入って行った
「どんな診察をしたのですか?」
「どなたですか 貴方は?」
「澪(チェルの本名)の保護者です
教えてくれませんか?
2分で終わる診察の内容を?」
「・・・」
黙り切って何も話そうとしない
「澪?
どんな診察を受けたか説明してくれ?」
「1 どこか具合の悪い所はありませんか?
2 何か心配事はありますか?
3 困ったことがあったら
なんでも言ってくださいね
それで終わりです」
「本田さん!?」
「そんなの診察って言わないんだよ?」
それだけで わかった
こいつはヤブ医者だ
「澪?もう この病院は
受診しなくていい
澪は自分の飲んでいる薬の名前すら
知らなかった
ちゃんと薬の効能と副作用を
説明してるのか?」
「・・・」
「そんなことされたことはない」
「貴女が覚えてないだけでしょ!?」
「行こう 澪」
「うん」
病院を出て行った
チェルの飲んでいる薬を見た
「・・・こんな お金がかかって
強い薬を」
これでは薬の効果に期待できるどころか
薬の副作用で身体がやられてしまう
強引にでもチェルを連れて
その日の内に役所に行き
自立支援の指定病院と薬局を
変更してきた
僕も最近 新しい病院に変えた
まだ その病院が信頼できるか
すべて わかったわけではないが
少なくとも
いま チェルが通っていた
病院よりは はるかにマシだ
チェルが長年
精神障害が治らない一因が
わかった
「・・・私って・・そんな
おかしい病院に通ってたの?」
寝たきりの僕たちは社会に関われない
家族とか まともな知識がある者が
居なければ
僕たちは超が付く世間知らずだ
あの病院すら普通に思えてしまう
「・・・あれが・・普通だと
思ってた」
「疲れただろ?
サラダでも買って帰ろう」
チェルはショックを受けていた
自分が通っていた精神科医が
ヤブ医者だと気づかされたこと
そこに長年 通っていたこと
そんなところに通って居たら
寛解するものもできなかった
「・・・私・・何年
無駄な事してたんだろう」
寛解するかもしれないな
チェルの精神障害
「え!?」
「あんなヤブ医者と
強すぎる薬から解放されたのだから」
「・・・」
「良い方向に考えよう
寛解しなくとも
少なくとも今よりは
症状は良くなる」
「・・・」
「苦しみが半分になるか
もしかしたら
精神障害が寛解するかもしれない」
「・・・そう・・考えればいいんだ」
そう言って泣き出した
「ありがとう」
そうだよ
精神障害者を食い物にして
金稼ぎをしているヤブ医者も居る
事実
うつ病患者は その性質上
反論できることができなくて
医者の言いなりになる人も少なくない
これが現実
実際 現実での私も
そんな医者に当たった
担当医が代わったら
「服用してる薬が強すぎる」と言われ
少しずつ薬を減らしていった結果
症状が軽くなってきた
だから僕は願うしかないんだ
あんなヤブ医者が
この世界から消えますようにと
元気を出すために
ドラクエでもやるか
もうすぐ竜王イベントが始まる
僕はチェルと相談して
今の内にファイアタルトを
使う分だけ買いだめした
まあ
クリムゾンセット効果に
ドラゴンベストセット効果
賢哲のころもセット効果がある
炎耐性ついている体上があって
炎耐性を100%にできるから
有利と言えば有利なんだが
そうチェルに言ったら
「ヴュアだけズルい!」と言って
フテくされた
よかった
やっと少しは元気が出てきたようだ