目の前に広がる光景
私は それを
呆然と見ていた
星が痛みを訴え
地表を爆発させた
それに
私の村は巻き込まれた
消滅と言う表現が
適切なほど
村があったのか?と
疑いたくなる
国の救助隊が
駆け付けたが
何もできない
生存者は
私だけだと言う
その
絶望している
私の様子を見た
ひとりの青年が
私に声をかけてきた
どうやら
私を保護したいらしい
いくら
子供の私とは言え
国の救助隊の人間とは言え
男の家に行くのは
身の危険を感じるべきだろう
私は
村の皆に美しいと
評判だったし
中には
そういう趣味な男も
居るらしい
でも 私は
正直
どうでもよくなっていた
自暴自棄
その心情
住む家も
育った村も
愛してくれた家族も
消滅した
私は
この青年に
誘われるまま
この人の家に入った
何かに気付いた青年は
そのまま私を街に連れ出し
私の
生活必需品を買い与え
家に帰ったら
夕飯を作ってくれた
疑問に思い
首を傾げ聞いてみる
何もしないの?
「何もって何をだ?」
襲うとか?
「子供に?」
本気で
保護してくれようと
してるらしい
どうして
そうしようと
思ったのかを聞いた
その青年が
答えるには
どうしようもない
世界の理不尽に
翻弄されている私を
見かねたのだと言う
それだけの理由で
私を保護したの?
わからなかった
どういうこと?
そのとき見せた
青年の表情を
私は覚えてしまった
青年の家にあった姿見
それを見た私は
その青年と
同じような表情を
映していた
絶望してる私には
ピッタリな顔だ
その青年の名前は
ガティレイア・エンハース
長いからガティと
呼ぶことにした
一週間も
一緒に暮らしたら
手続きが済んだと
学校に通わされた
なぜ?
そこまでしてくれるの?
あの時の言葉を思い出す
「どうしようもない
世界の理不尽に翻弄されている
私を見かねて保護した」
ダメだ
やっぱり
わからない
そんな理由で
衣食住まで与えてくれて
学校まで通わせてくれて
毎日
面倒まで見てくれるの?
私を
襲いたいのなら
とっくに
力任せで
襲えてるだろうに
何が目的?
それとも
本当に
助けたかっただけ?
ずっと
疑問を抱いたまま
この生活をして
一か月が経った
さすがに
ここまで面倒を
見てくれたのだから
名前くらい伝えよう
ルダ・パラス
それが
私の名前だ