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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: デスマスター
レベル
: 132

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レオナルドの冒険日誌

2025-01-23 23:03:46.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『夫婦鮑に祈りを込めて』

その日、ガートラント南西の入り江で釣り糸を垂らしていた老人は、眼下の海原に見つけた鳥の姿に己の目を疑った。
「な、なんじゃあ…?」
豊かな海である。
あくび混じりに片手間で釣り竿を振るっても入れ食いな環境ゆえ、アストルティアの民のみならず、数多くの海鳥も集まる。

しかし、老人の見つけたそれは、純白の羽毛に、黄色いくちばし、そして…存在感を放つ赤い鶏冠に肉髯。ホワイトレグホン、ないしはホワイトプリマスロック、つまるところ鶏である。
それが、水鳥でもあるまいし、溺れるでなし海面をスイーッと優雅に進んでいるではないか。

「あっ…!?」
言わんことではない。
次第に岩肌へ近付くと、不意にとぷんと鶏は海中へと姿を消す。
そのまま時間は流れ、はや5分。

何の縁もない鶏なれど、目の前で溺れるのを見るのは気分が悪い。
ハラハラしながら様子をうかがっていると、ブク…と海面の一部が泡立つ。
「………お、おん?ありゃあ…」
しかし、ザバッと海面をやぶりまず飛び出したるは鶏ではなく、4つから5つの穴がつらなる、楕円形の大きな貝殻。

「ケケケ~~~ッ、ケホッ、ケホッ、海水飲んじゃった…ケホッ…」
続けて、立派なアワビをその右手につかみ、掲げるように海中から飛び出したのは、皆さまおなじみ、あの神主である。
鶏は本物ではなく、彼の頭飾りであったのだ。
「…7つも採れば大丈夫でありましょうな。そい!」背に負うカゴへと放り込むとルーラストーンの輝きに包まれ、黄金鶏神社へと飛び去るらぐっちょなのであった。

戻ったらぐっちょが神事に勤しむ間、アワビをさばくはヒッサァの役目である。
アワビは汚れやぬめりがあるため、塩をふり、固くならぬよう手早く、さりとてしっかり洗う。
水気をとったら、殻の薄い側からナイフを挿し入れ貝柱を剥がす。
身と貝殻が分かれたらヒモと肝は手で身から取り外し、貝柱の端にある口をV字に切り取れば、下拵えは完成である。

なお途中、肝の色を見て、その雌雄を確認する。
けして食いしん坊な訳ではなく、らぐっちょが目的には余る程にアワビを採取した理由はそこにある。
妊娠5ヶ月目の戌の日に行う、古くから伝わる安産祈願の行事の1つ、帯祝い。
犬はたくさんの子を一度に産み、安産だということから、戌の日に祈祷を捧げた腹帯をお腹に巻き、安産を祈願するものである。

その折、給されるのが夫婦鮑だ。
アワビは古来より神社に奉納される食材の代表格。
つまりは神様の食べ物で、それを胎児に食べさせることでご加護を得て、無事に出産出来るようにとの願いをこめると同時、夫婦円満の意味をも込めて、雄と雌のアワビを交互に食べるのだ。
アワビの雄雌比率はおよそ4対6、その為、万全を期して複数個のアワビを採取して帰る必要があったのである。

無事儀式を終えた後、残った3つのアワビはらぐっちょとヒッサァで頂戴する。
「良いのですか?私まで頂いてしまって」
「調理もお手伝い頂きましたから、勿論なのですぞー!」
昔は生食が基本であったが、万が一にも食あたりなどないよう、黄金鶏神社では煮鮑としている。

誰よりも主役である妊婦さんが食べやすいよう、昆布の出汁をベースにあくまでほんのりとだけ醤油、みりんを加えた優しい味付け。
口を切る以外、包丁を入れるは調理のあととすることでなんとも柔らかな仕上がりとなり、シンプルかつ薄口な味付けにした分、混じり気ないアワビ本来の旨味が口いっぱいに広がる。

「たまらんですなー」
「うん。うん。旨い。ご夫婦にも喜んでもらえたようで良かった」
「ふふふ。ところで、アワビは目にも良いらしいですぞ。証拠にほら、毎回お下がりに預かるワタシのなんともつぶらでプリチーなこの瞳」
「………えっ…と…?」
らぐっちょの瞳にもたらされた効能のほどは確認出来なかったヒッサァであるが、らぐっちょと共に新たにアストルティアに産まれくる生命、その母子ともに健やかなるを神に祈りつつ、煮鮑を食べすすめるのであった。
                              ~Happy Birthday~
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