……それは、とある国の王に頼まれ、
とある泉を目指す道中での出来事だった。
険しい森林には、見知らぬ魔物が数多くいたが
余計な時間をかけないように、戦闘を避けながら森を駆け抜けた。
と、その中でひときわ大きな気配を放つ魔物を見つける。
エメラルドーンというらしいその魔物は、
鬼竜やトカゲ王に近い実力を持っているようだ。
今挑むには荷の重い相手だが、幸い向こうはこちらに気づいていない。
背後を通り、そのまま目的地を目指した。
そこからの道のりは順調だった。周囲の魔物に気づかれないまま
ついに、泉から流れる小川にたどり着く。
あとはこの川をたどって行くだけだ…と安心した所へ、
衝撃の光景が眼に映った。
細い小川に陣取る、一体の緑の魔人。
どうやら、この戦いは避けられないらしい…
相棒と共に、剣を抜いた。
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すぐに敵の腕にむかい、刃砕きを放つ。
攻撃力を1段階落とした所で魔人の反撃が来るが、
その傷はすぐさま、相棒のべホイミに癒される。
返す刀で二度目の刃砕きを叩き込むと、こんどは3連続の斬撃を放たれるが
やはり相棒の回復呪文によって回復。
相手の視線を読み、相棒と私が交互に壁になることで敵の動きを制限し
その間に少しづつダメージを重ねていく。
新特技、超はやぶさ斬りがきまり、
相棒の会心の一撃が、巨人の体力を大きく削る。
しばらくすると、魔人はバギムーチョの詠唱を始めた。
広範囲+高威力の呪文だが、当然体当たりでキャンセル。
戦いは、こちらの優勢で進んでいった…
こちらが受けるダメージは、相棒の呪文でカバーできる範囲におさまり、
刃砕きの更新も確実に行っていくことで、安定した戦いが続く。
…結果、私は油断してしまった。
何度目かの刃砕きを入れると、必殺チャージが発動。
ここで一気にダメージを入れようと拳に力を込め始め…
同時に魔人のバギムーチョの詠唱が始まった。
会心必中には確かな手ごたえがあったが、同時に鋭い旋風が巻き起こる。
私と相棒は同時にダメージを受け、体力を半減させた。
相棒はすぐにべホイムの詠唱を始めた。
同時に私は駆けだし、相棒が回復を完了するまで守ろうとした…が、
それより先に、エメラルドーンは斧を振り上げた。
…結果として、相棒の呪文は間に合った。
しかし、回復したのは私だった。
窮地に立たされ、相棒は瞬時の判断で主を生かすことを選んだ。
私の傷が癒えていくのと同時に、相棒に、大きな斧が襲いかかる…
スライムナイトは死んでしまった
私は、敵に背を向けて走り出した。
目の前まで迫った目的地にたどり着くために、なりふり構わず駆ける。
背後から魔人の追撃が来るが、ほぼ全快した私の体力を
削りきるほどではない。
相棒のために一矢報いたい気持ちはあるが、今は目的を達成する事が
何よりも大切だ。
未練を振り切り、泉の入口に飛び込んだ。
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久しぶりの旅行記は、まさかの撤退戦となってしまいました。
また、写真では相棒を写し損なうというミスをしてしまいました。
まだまだ修行が足りない…
いつかかならず、魔人にリベンジするために、
これからも技を磨き続けます。
…ところで、先日武器の更新をしました。
数々のピンチを救ってくれた星くずの剣に代わり、
名刀、斬鉄丸がこれからの愛刀となります。
初戦に黒星をつけてしまったのは残念ですが、
次は、その力を存分に振るえるように頑張ります。
戦士と騎士の底力を、見せつけます。