DQを語る編でたまに知られざる話の本での説明というのがありましたが、この知られざるという本、要はDQの外伝にあたるお話を書いた本です。
いくつかのシリーズで昔発行されてました。
モンスター物語
アイテム物語
知られざる伝説 など
これらの本は小説などと違い復刻版がないと思われます、ゆえに今のヤング世代なんかは親がよほどのDQ好きで家にまだ残ってないとたぶんお目にかかれない代物なんじゃないかな・・・?(ネットでもどうなんだろう)
ボクの頭をフル稼働して記憶を掘り起こした限りでは、今も膨大な量で続いているDQ四コマまんがの先駆けはモンスター物語の最後の方のページに掲載されていた『怪傑!おおねずみ』シリーズからなんじゃないかなと思っています。のちの四コマ本にもこの怪傑おおねずみシリーズはしばらく続いておりました。
そんなレアな本を知らない人の方が多いんじゃないかと思われる今日。
せっかくなので個人的に感動した!印象に残った!なんてものをご紹介します。
あくまで自分の記憶を頼りに書いたものなので、すでに内容を知っている方々、細かい間違いとかあったら突っ込むなり訂正なり遠慮なく申し出てください。ちょっとは大目に見てくれるとうれしいかなw
お日様がてっぺんに昇った頃、エルフやドワーフの子供達が広場に集まり今日はどんな遊びをしようかと話合っていました。
「おにごっこ?」
「かくれんぼ?」
みな口々に提案しますが一人のエルフの少年が言いました。
「今日はさ、この塔を探険しようぜ!」
みなは反対します。
「やめなよ~、怒られるよ」
「それにここの塔は入り口がないよ?」
少年は臆せず、
「直接登ればいいのさ、この塔は昔ロザリーっていうエルフの女の子が住んでたんだって。中にはお宝があるってじいちゃんが言ってたよ」
そういうと少年は直接塔にしがみついて登り始めました。
「危ないよ~」
「怒られるよ~」
友達は止めますが少年はどんどん登って行きます。
塔の窓にたどり着いた少年は中に転がり込みました。
「いててっ 中は薄暗いな・・・ わわっ!すごい宝石がっ!!」
薄暗い中の部屋には美しい宝石が散らばっていました。
「すごい!本当にお宝があった!!」
しかし、少年がその宝石に触れた途端、宝石は消えてしまいました。
「その宝石に触るなっ!」
誰もいないと思っていた部屋だったので少年はびっくりしました。
見ると邪神の面と皆殺しの剣を持ったスライムがベソをかきながらこちらを睨み付けていました。
「ボクはピサロナイト様の弟子で強いんだぞ!剣だって持てるんだ!」
「キミが剣を持って戦うのかい?キミには手がないじゃないか」
少年はおかしくて笑いながら転げまわると少年に触れた宝石がどんどん消えていきました。
「やめてー!ロザリー様の思い出の宝石が!」
スライムは泣きじゃくりながら懇願します、スライムの目から流れた涙は青い宝石となって床に転がりました。少年が手ですくおうとすると宝石は消えていきました。
「ここの宝石はボクとロザリー様しか触れないよ、この宝石を目当てに色んな人間にいじめられてきたんだ。あの時だって・・・」
スライムは語ります
「ここに人間が来た時にロザリー様はちょっとお話してくるだけだからいい子で待っててねって言ったんだ。だからボクはここでロザリー様の帰りを待っているんだ」
少年は丘の上にあったお墓のことを思い出しました。
「そのロザリーって子はもうここには帰ってこないよ」
「うそだっ!」
「本当だよ、丘の上にお墓があって・・・」
「うそだっ!ボクを騙してここの宝石を横取りする気だな!ボクは騙されないよ」
「オレ大きくなったら兵士になってこの塔を守るよ、だからキミも一緒にこない?」
「ボクはここにいるよ、ロザリー様がいい子で待っててっていったんだもの、そういったんだもの・・・」
スライムの後姿は寂しそうでした
少年はこの塔とスライムのことは絶対に秘密にしよう、そして大きくなったら本当にこの塔を守る兵士になろうと決めました。
少年の目に一筋の涙がこぼれその涙は銀の宝石となって落ちました
少年はそのことには気がつきません
ロザリー救済策がなかった頃の話なので身にしみましたTT
(続く)