新婚当初、あるアパートに新居を構えました。
駅からもそこそこの距離でバス停や学校、スーパーなども近く中々立地条件がよろしい所でした。
ここは長く住めそうだ
そんなことを思っていましたが挨拶周りをしていた時のこと、このアパートに13年住んでいる住人にこんなことを言われました。
「あら、102号室に越してきたのね。あそこに住む人はあまり長居しないのよ、そういえば前に住んでいた人ちょっと変わった人だったわね。」
そのときは ふ~ん くらいにした思いませんでした。
しばらく住んでみましたが別段変な感じもせず、平和に暮らしておりました。
ただ、6世帯中みんな10年以上住んでいる中で、私達のところだけが日が浅いというだけです。
アパートに暮らし始めて半年が経ち、子供もできました。出産を控え私は実家に帰り主人だけが一人アパートに残りました。
無事娘も生まれ、床上げを機にアパートに戻り一週間ほど家族三人で暮らし始めた頃・・・。
主人の母が突然亡くなりました、事故でした。
あわただしく葬儀を済ませた後、残された義父と同居することになり結局アパートは2年の更新を待たずして引き払うことになりました。
102号室はまたもぬけの殻になったのです。
現在住んでいる家からアパートまで割と近いので時々通りかかることがあります。
私達が出て行ったあと、新たな住人が住んでおりました。
洗濯物を見る限りどうやら一人暮らしのようです。
8ヵ月後、102号室はシャッターが下ろされまた無人となっていました。
またしばらくすると今度は家族連れが越してきました。
庭にかわいらしい三輪車が置いてありました。
1年後、102号室にはまたシャッターが下ろされ無人となっておりました。
そのアパートを横切る度に、102号室だけ出入りが激しく現在では住人はいない状態が続いております。
あそこは長居しないのよね・・・・
あそこの住人が言った言葉は今も忘れられません
人を拒む部屋ってあるのかもしれませんね(´∀`)
(続く)