魔ルシア
「トウカ、大変だ……」
トウカ
「どした?」
魔ルシア
「ご近所さんから貰った神社のお供え物の餅を雑煮にしていたんだ。
だが、固くなった餅を柔らかくなるまで煮ていたら、ドロドロに溶けてしまうんだ!」
トウカ
「確かに、古くて固いお餅の再利用は難しいよね」
魔ルシア
「なんとかならんのか? レンジとやらで暖めても、餅の水分が抜けて、食感が悪いんだ」
トウカ
「そういうときは、蒸し器を使えばいい」
魔ルシア
「まさか餅を蒸すのか!?」
トウカ
「雑煮を器に入れて、それを蒸し器に入れて、茶碗蒸しのように蒸して暖めるのさ。
鍋で煮るのと違って、鍋底が焦げ付くこともないし、熱対流で餅がドロドロに溶けることも防げるんだ。
さらに、レンジなんかとは違って、餅から水分を奪うこともない」
魔ルシア
「なるほど。利にかなっている。お前の女子力はたまにすごいな」
トウカ
「女子力だけが上がっていく一人者で悪かったな~~!」
魔ルシア
「私以上の心の闇を感じる……」