トウカ
「神獣シナリディって馬鹿なんじゃないの?
神聖秘文完成の報酬が『なでるしぐさ』だなんて……」
リルチュラ
「きっと恵みの木を育てること以外が苦手な神獣さんだったんだよ。トウカさん好みのプレゼントじゃなくて残念だったね」
トウカ
「もうこうなったら、みんなを撫で回して憂さを晴らすしか!
始めはお前だ~~!」
リルチュラ
「あわわっ。くすぐったいよ~。
えへへ。そういえば、私って頭を撫でられた記憶があんまりないんだ」
トウカ
「え?」
リルチュラ
「物心付いたときは、みんなに怖がられてたから、こうやって頭をいっぱい撫でられたことがなかったの。
だから、なんだかとっても嬉しいかも!」
トウカ
「うはあ。なんかごめん……」
トウカ
「次はサジェ、お前だ~~!
でも、ごめんサジェ。
お前を撫でようとすると、メガネを拭くことしかできないんだ。
私の身長的に……」
サジェ
「ふふっ。なんだか懐かしいです。
ボクが本に夢中になりすぎて、食事の時間になっても気づかずにいたとき、いつも姉さんが呼びにきてくれたんです。
いきなりボクのメガネを拭きだして、『メガネが休みたがってるよ』なんて言って。
それがなんだか子供扱いされているみたいで、その時は嫌だったんですが、姉さんがいなくなってからは、ボクはどれだけ姉さんに大事にされていたのかを理解できて、とても悲しかったですね……」
トウカ
「う、なんかスイッチ入れちゃってごめん……」
トウカ
「駄目だ! この子たちじゃ、からかうには重すぎる! もはやあいつしか!」
トウカ
「なんか位置的にジャストフィットって感じがする。
お前のためのしぐさだったんだ!」
魔ルシア
「………最近忙しくしていると思っていたら」
トウカ
「私たちの神聖秘文はこれからだ!」
魔ルシア
「いきなり尻を撫で回してくるわ、意味が分からんわ!」