トウカ
「ごろにゃーん! ゴロゴロごろにゃーん!」
アサヒ
「ちょ、なにやってるのトウカちゃん!?」
ヨイ
「トウカはんな、なんでも天地雷鳴士の特訓ポイントを上限の1万ポイントまで上げきって、特訓まで極めはったんやって。
さっきから、疲れたーっゆうてウチの膝で休んでる」
アサヒ
「すごいよトウカちゃん!
あたしのお父ちゃんなんて、300ポイント特訓したと思ったら、特訓モードに切り替えるの忘れてて、ショックのあまりそのまま特訓投げ出したっていうのに……」
ヨイ
「あんたのお父はんの駄目さはともかく、トウカはんは一体どんな特訓方法で1万ポイントも極めはったん?」
トウカ
「強戦士の書という魔法道具を使ってね。それで呼び出した魔人エンラージャっていう凶悪な魔物をひたすら倒してたんだよ」
アサヒ
「強敵との特訓なんて燃えるね!」
トウカ
「この方法で、一戦ごとに特訓ポイントが30ポイント手に入る」
ヨイ
「330回もよく戦ったなあ。尋常じゃない時間を戦い続けるなんてすごいわ」
トウカ
「えへへ」(サポート仲間に任せて、ずっと動画見てたんだけど……)
トウカ
「その特訓の中で気づいたことがあるんだ」
アサヒ
「なにかあったの?」
トウカ
「幻魔いらない!!」
アサヒ
「ええ~~!?」
ヨイ
「一緒に戦ってくれる幻魔がおったら、戦いが有利になるんやないの?」
トウカ
「私も最初はそう思ってた。
だから、ずっとカカロンを開幕呼び出してたんだよ。
そして、なんとなく倒すタイムを計ってみたんだよ。
私は何もせずにサポート仲間と幻魔に戦闘を任せてのタイムは、おおよそ2分から2分30秒くらいかかってた。
でね、次に幻魔をなにも呼び出さずに、後はサポート仲間に任せてのタイムは、1分から2分ほどだった」
アサヒ
「あれ? 幻魔呼び出した方が、倒す時間が長引いてるね!」
ヨイ
「なんでなん? ウチには理解できひんわ」
トウカ
「実はカカロンが味方を殺してた!」
ヨイ
「嘘やろ? テンオツキジンみたいやん」
トウカ
「魔人エンラージャは【魔人のわざわい】っていう攻撃をしてくるんだけど、それを喰らうと、ムッチーノという魔物に変化させられるんだよ。
幻魔たちは、魔物になった味方や私を敵だと間違って、無慈悲に殺害しまくってたんだよ!
だからタイムが逆に伸びてしまってたんだ」
ヨイ
「なんでも幻魔に頼りすぎるのは危険やってことやね。ウチには痛いほど分かるわ」
アサヒ
「ヨイちゃん……」
トウカ
「ごろにゃーん」
アサヒ
「そんなまじめなこと言いながら、トウカちゃんはヨイちゃんに甘えたいだけじゃんっ!」
トウカ
「幻魔より私を頼ってくれてもいいんやで~~」