魔ルシア
「…………」
ハザクラ
「帰ってきませんね。トウカさん」
セーリア
「またどこかの異世界を救っているのでは? 良いおみやげがあったらいいのですが」
魔ルシア
「ふん。いないならいないで、私の心をかき乱すやつだな」
ハザクラ
「魔ルシアさん、トウカさんがいないから寂しいんですね~」
魔ルシア
「おいっ!」
セーリア
「ふふ。早く帰ってきてくれたらいいですね」
魔ルシア
「ふんっ。どうせ可愛い女の子ばかりいる世界にうつつを抜かしているに違いない」
【ラプチャー】
それは1946年、大西洋に秘密裏に建設された海底都市。
世界大戦や国家から逃れた科学者や芸術家達などが、あらゆる政治・宗教・倫理にとらわれずに自由な活動を行い、当時の世界よりも遥かに進んだ独自の科学文明を形成していた。
だが、そんな楽園も権力者の内部抗争によって、一般市民も巻き込む壮絶な血で血を洗う粛清が繰り広げられる。
ラプチャーの市民は自分の身を守るため、超能力を得る薬ADAMをこぞって求めた結果、副作用で精神崩壊し、理性を失った化け物と化して殺しあっていた。
トウカさんが来た頃には、もはやまともな人間はいない地獄と化していたのだった。
トウカ
「バイオショック1クリアしたと思ったら、バイオショック2も舞台が同じラプチャーやんけ~~!
もうこんな頭のおかしいサイコパスだらけの街なんて嫌だよ~~!!」
精神的なストレスで、アストルティアに行くことがなかなかできなくなっていたトウカさんがいた。