セーリア
「このぬいぐるみ、どうしたんですか?」
トウカ
「ハロウィンイベントでもらったミイラエルフ人形女だね。これ捨てようかと思ってるんだよね」
ベロニカ
「確かにあんまり可愛くないけど、もったいない気がするわ。どうしてなの?」
トウカ
「アスミちゃんのお母さんを思い出してね。辛くなってきた……」
ベロニカ
「アスミって誰よ!? ていうか、なんでその子のお母さんこんな風になってるのよ! 怖いわ!」
トウカ
「アスミちゃんはね、【ふたつのスピカ】っていう作品の主人公なんだ。宇宙飛行士を目指してるんだよ。
アスミちゃんのお母さんはね、アスミちゃんが小さい頃にロケットの事故で重傷を負ってしまうんだ。
アスミちゃんがお母さんの絵を描くという宿題で提出したのがこんな感じの姿だったんだよ。それを見たクラスメイトのガキが、お前の母ちゃんバケモノじゃん、とか酷いこと言ってね。本当にもう!
でもね、アスミちゃんは負けないの。背が低いというハンデをものともせずに、宇宙飛行士の夢を追いかけていくんだよ。
まあ、とにかく読め! NHKでアニメ化もしてるよ」
ベロニカ
「いやよ! あんたの言い方から、悲しさが伝わってきて怖いわ!」
トウカ
「見ーあーげてごらん~~♪ 空の~~ほーしよ~~♪」
ベロニカ
「なんで唐突に歌いだしてるよの!」
セーリア
「小さな星の~♪ 小さな光が~♪」
ベロニカ
「あ、あんたまで!?」
トウカ・セーリア
「ささや~かなーしあわーせを~、歌あってるー♪」
ベロニカ
「取り囲んで歌いながら漫画見せてくるのやめて~~!」