トウカ
「ふ~~。やっと元の姿に戻れたよー
魔界の事をルシェンダ様やアンルシアに報告しておくかぁ。
しばらく行方不明だったし、きっとみんな心配してるだろうなあ」
占い侍女ピクシス
「トウカさま、トウカさま」
トウカ
「どうしての? 占いメイドさん」
占い侍女ピクシス
「アンルシア様でしたら、魔族の将に負わされたキズをいやし、修行に励むために、ルシェンダ様とともにお出かけしております」
トウカ
「ええ~~!?」
占い侍女ピクシス
「いつお戻りになるかは……残念ながらうかがっておりません。
私の占いでも見ることができないようです」
トウカ
「私、魔王ヴァレリアに重症を負わされて、行方不明になってたんですけど? 誰も探しに来てくれなかったんですけど~~!
誰も行方不明になった勇者の盟友に、探索隊を出すくらいしてくれなかったというの?」
占い侍女ピクシス
「トウカさまはお強いですから、みんなご無事と信じて疑わなかったのですよ……」
トウカ
「それにしたって、ちょっとくらいは心配してほしかったんですけど!
こういうことの積み重ねが、トウカさんの心を蝕み、やがて大魔王へと至るきっかけになったらどうするんですか!?
私、次期大魔王ですよ!? その御大層な水晶で見えるでしょ?
誰か私を心配してよ~~!」
占い侍女ピクシス
「わざと不吉な未来を映して水晶を砕こうとするのやめてくださいトウカさま~!」