魔勇者アンルシア
「どうして私は、勇者でもないお前たちに勝てないんだァッ!!」
トウカ
「知らんのか? 勇者だから強いんじゃない」
魔勇者アンルシア
「なら、何の強さなんだ!?」
魔勇者アンルシア
「なんだこの記憶は? どうしてお前の傍にいる別の私は、こんなにも満ち足りた表情をしているんだ……」
トウカ
「何もかも嫌になって、全部捨ててしまおうとしているお前と──」
「自分の持ってない物を全部手に入れようとしている貪欲な魔勇者──」
「……どっちが強いかなんて明白だろ? 魔盟友としてそう思うわ」
魔勇者アンルシア
「魔盟友か……。そんな存在がいるのなら、勝てないのは……道理だ……な」
「さらばだ魔盟友……。魔勇者も、捨てたものではなかったのだな」