私は白虎聖騎士団諜報部部隊長マリス
これから話すのは私の過去の話である。
ルデス騎士団長と出会ったのは数年前
私がまだガートランドで盗賊として活動していた頃だ。
日々貴族共の欲の為に貧困層に劣悪な扱いがなされていた時代
肥えた貴族が猛威を振るっていた時代に
私は生活に苦しんでいた貧困層の為
政治家並、
もしくはそれ以上の権力を当時持っていた貴族の豚どもをターゲットに
盗みや脅迫、請負で貴族内に潜む
S級犯罪者の暗殺やスパイ活動を行っていた…
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私の名は裏社会では顔までは特定されなかったものの
かなり名が知れていた。
私が装備している
元々赤い竜王の爪が貴族の汚れた血で染まり
更に紅く真紅に染まる事から
「紅爪のマリス」として恐れられていた。
目をつけられたが最後。
その者の財産は勿論。命までも盗まれると…
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そんな裏社会で生きてきた私にいつもの依頼とは違う仕事が舞い込んだ。
依頼人は直接会わず酒場の人間を通して依頼をしたようだ。
偽名だろうが、依頼人は「虎 」 と名乗ったようだ。
内容はガートランド政府内にいる貴族で一部の政治家を言いくるめ民衆から得た税金を貴族に横流ししているらしい。
更にはその金の為に殺しも行っているとか、
私は綿密な情報収集を行った後、
深夜、金の取引が行なわれるとされる場所の情報を得たのでその場所へ向かった。
驚いた事にガートランド城内らしい。
そこには恐るべき人物がいた……