第5話「伝令」〜真紅の爪跡〜白虎聖騎士団諜報部活動報告
パトロールをして3ヶ月が経過したある日…
マリスはガートランド場内作戦会議室にて今回のパトロールルートを模索していた
そこにフルブライトはいない
白虎聖騎士団にも個々に休暇があるのだ
フルブライトは今回久々の休暇でバカンスにジュレー島に行っており
今回のパトロールでは不在だった
マリス「今回のパトロールルートはいつもよりも綿密に行った方が良さそうだな…フルブライトの対モンスター用の防御魔法でこの周辺にはモンスターは完全に防御出来た…次のガートランドでの問題は…」
マリス「悪事を企む人間か…」
……っバタンッ!
マリス「!」
勢い良く扉が開くと、そこには汗だくの衛兵が必死の形相で立っていた
マリス「何事だ、騒々しい。」
衛兵「ルデス団長からの伝令です!」
マリス「っ!!!」
衛兵の一声にマリスの顔つきが変わる
マリス「話せ。」
衛兵「ガートラント周辺にてモンスターの奇襲有り!至急!白虎聖騎士団!現地にてモンスター駆逐にあたれとの御命令です!」
マリス「何っ…⁉︎」
明らかにおかしな事が起きていた
フルブライトの防御魔法は一流
ガートラント周辺で出現していたモンスターは勿論
それ以外のモンスターにも対応出来る様、念には念を入れ最上級魔法でガートラント周辺すべてに張り巡らされており、敵意あるモンスターが入ろうとすれば死に至る魔法だった
奇襲自体が有り得ないのだ
それが何故起きたのか
マリスは冷静になり瞬時に考えた
そしてマリスの頭に
あるシナリオが浮かんできた…
マリス「先に行っててくれ…私にはやるべき事がある…」
衛兵「しかしっ……!ルデス団長のご命令です…!」
マリス「だからこそだ。行ってくれ、必ず後で向かう」
衛兵「…わかりました…!先に向かいますっ!ではっ!」
衛兵は勢い良く飛び出していった…
マリス「フルブライトの不在時に…狙ってきたか……
フルブライトの魔法をかいくぐりこんな事が出来る奴は限られている……だとすれば…あいつしかいない……証拠を掴みルデス団長に報告しなければ…!」
マリスは急いで部屋を出ると
とある場所に向かった……
続く……