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負けずぎらい

シルファー

[シルファー]

キャラID
: PM604-476
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: 海賊
レベル
: 130

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シルファーの冒険日誌

2015-08-06 23:20:10.0 テーマ:その他

日誌ストーリー【シルファー外伝・闇の騎士と聖地の絆・プロローグ】


故郷シエラは雨である。

この地で育ち、若くしてこの地を旅立った二人。
赤い衣服に身を包み、使い込まれた両手剣を背負う青年ユキ。
そして身軽そうな衣服に身を包む娘シルファーは、帰ってきた故郷シエラで日頃の戦いを忘れ、今日は完全にお休みモード・・・のはずだった。


シル「あぁー、もう!」

ユキ「そうむくれるなよ」



シル「だって、降ってるから!」

完全に気を抜いて私服で来たシルファーは、ずぶ濡れにご機嫌ななめ。

シル「ユキはいいよね!こんな日にも冒険服で来てさ!汚れてなんぼだもんね!」

機嫌に任せて皮肉をはいてしまうが、ユキは表情を崩さない。

ユキ「冒険者たるもの、いついかなるときも用心を忘れず。基本だぞ~?」

そう言ってようやく笑みをこぼすユキも、なかなか良い性格と言えよう。

そしてこう続けるのだ。 

ユキ「でも、これなら晴れた日の期待も高まるってもんだ。」

シルファー「なにわけのわからないこと・・・あ。」

なにかを思い出したように言葉を止める。それに気づいたユキが再び話し始める。

ユキ「何度も見ただろ?ここが晴れると絶景じゃんか。飽きないんだよなぁ、その眺めはさ。」

シルファー「うん、そうだね。」

冒険者として長い期間の修行をこの地で重ねた二人。その過程は決して楽なものではなかったが、修行のあとにのんびりと、光る海と空が交わる景色を眺めるのが、何よりの楽しみだった。

ユキ「長く険しい旅の途中だけどさ。」

シル「うん」

まるで、後になにが続くかわかっているように、シルファーは頷く。

ユキ「いつでもまた、この景色を見に来ような。」
 
シルファー「うん!」

満面の笑みで答えるシルファー。



だが次の瞬間


「「ピシャァーン!!」」

突然の落雷。話に夢中になっていたシルファーは、

シル「きゃっ!!」




【また来ることがあればだけどな・・・】



シル「え?ユキ、今なにか言っ・・・」






シル「ユキ・・・?」

落雷に一度目を伏せ、再びまぶたを開けた先に、彼の姿が消えていた。

雨の影響か、なにかはわからないが、言葉にし難い不安がよぎった。



シル「ユキ!どこにいるの!?返事してよ!」

雨音が響くなか、必死に彼の返事を待つが、一向になにも聞こえてこない。
信じたい。雨音が強いだけだと。視界が悪いだけだと。アイツの性格だから、驚かすつもりなんだと。
いくつもの安心材料を並べようと、胸に居座る不安が消えることはない。

シル「ユキ!ユキ!」


【ユキーーーーッ!!】
















「ユキ様がどうかされたのですか?」


シル「・・・・えっ」




シル「えっ?・・・えっ?夢?」


「大丈夫ですか?きさま」

声のするほうへ向き直り、できるだけ平生を装って返す。

シル「あ、え、うん。ライオンちゃん。心配いらないよ。」

なにが心配いらないのか。そう言いたいくらいにひとつため息をして、ライオンと呼ばれたコンシェルジュは続ける。

ライオン「大分うなされていましたよ?」

シル「そう、みたいだねぇ、汗もすごいや・・・。でもいいのいいの、夢なんだし!」

そう言いながら笑顔もまだぎこちない。その理由は

シルファー(なんでかな・・・、夢だから安心するはずなのに・・・)

夢の中の不安が継続していることに疑問を隠せないシルファー。

シル「よしっ」

勢いよく立ち上がり無理やり気合いを入れる。

シル「まずはユキを探さなきゃ。」


最も恐れている展開を避けるため、シルファーは家を出た。
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