【無鉄砲さと、本当の強さ。】
「がるるん!」
『ガウッ』
俺は、がる・・・じゃなかった。この主人に使えるただのオオカミだ。
主人は変な名で呼ぶが、実はあまり気に入っちゃいない。怒られると怖いから抵抗しないけどな。
雑魚敵を見かけりゃあ、主人も戦えるが俺も参戦する。
だが今回は・・・
ちと相手が悪いかもしれねえ。
主人はやめておけと声をかけるが、俺にも野生の血が残ってる以上、強敵相手には退けねえぜ。
だが、なんだ?
コイツ、さっきからこちらに目もくれねえ。まさか!
しまった!コイツ、主人が俺に指示を出すのに夢中になってるのを見計らって!
まずい、このままじゃ!
『ガルッ!』
「だから戻・・・!えっ?」
「ああっ!!」
『ガルゥッ!!(ご主人!!)』
俺が無鉄砲に突っ込んだから・・・!